細胞間リンパ液と可視総合光線療法 1

 一般社団法人光線研究所

  研究員     佐藤 仁

  所長 医学博士 黒田一明

 血行状態は重要な健康の指標になりますが、血行が良くても、血管から直接細胞に栄養や酸素が供給されるわけではありません。細胞の新陳代謝は、毛細血管からしみ出た液体が細胞の周りにしみ込むことで行われます。この液体は「細胞間リンパ液」または間質液、組織液と呼ばれています。

 この細胞間リンパ液の代謝が悪いことで色々な症状や病気が引き起こされることがあります。 

 今回は、この細胞間リンパ液と可視総合光線療法について、解説と症例を紹介します。

細胞間リンパ液

 一般的にリンパ液というと、リンパ管を流れているものを指します。リンパマッサージはリンパ管内のリンパの流れを良くしようとするものです。しかし細胞間リンパ液は、リンパ管に入る前のリンパ液のことです。火傷の水疱、膝に溜まる水、アトピーで出る滲出液などは、この細胞間液です。

 人間の血液の量は4~5リットルですが、細胞間リンパ液は血液の2~3倍の10~12リットルもあります。毛細血管からしみ出た細胞間リンパ液には、栄養・酸素・免疫細胞などが含まれています。全身の細胞はこの細胞間リンパ液の中に浸った状態で存在しています。この細胞間リンパ液と細胞の間で新陳代謝が行われると細胞から出た二酸化炭素や老廃物、細菌やウィルスなどの異物が細胞リンパ液に含まれ、静脈やリンパ管に吸収されます。血行が良くても、細胞間リンパ液の循環が悪いと細胞に栄養や酸素が届かず、老廃物がうまく処理されなかったりして、様々な症状がでる可能性があります。

光線研究第640号 令和5年10月1日発行 一般社団法人 光線研究所

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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