腸疾患の便秘、過敏性腸症候群、 潰瘍性大腸炎に対する可視総合光線療法 5
●炎症腸疾患においてビタミンDの疾患活動性との関係(米国の研究2016年)
潰瘍性大腸炎患者を5年間追跡し、血中ビタミンD濃度により低温群、正常値群に分け、薬剤使用、医療の利用、炎症性マーカー、疼痛、疾患活動性との関係を検討した。ビタミンD低値群は正常値群と比べてステロイド使用、麻薬性鎮痛薬、CT検査、救急受診、入院、手術の必要性が有意に高かった。また、低値群では疼痛、疾患活動性スコア、健康関連QOLの有意な悪化が認められた。
【治療例】
潰瘍性大腸炎
66歳 女性 主婦
◆症状の経過
60歳時、排便後に下血がみられ、その後も下血が続き検査で潰瘍性大腸炎と診断され薬の服用を始めた。発病前は母の介護、その後は叔母の介護が続き疲れていた。61歳時、下血は少なくなったが、下痢、腹痛、排便回数が多い症状があり、心配した友人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診。
◆光線治療
治療用カーボン3001-4008番を使用し、⑦①各10分間、②㉓㉔⑥㉘③④各5分間照射。
◆治療の経過
自宅で毎日光線治療行う。治療1ヵ月後、排便回数が7回から2回に減り、柔らかい半分固形の便が出るようになった。治療3ヵ月後、足が温かく下痢はなくなり、腹痛があっても軽かった、治療1年後、腹部の調子が良好で、食事はいろいろは食べられるようになった。治療3年後、下血は全くなく、たまに下痢になるが続くことはなくなった。体重3.2kg増えた。治療5年後、足が冷えると腹痛が出るため光線治療は継続している。
『光線研究 第636号』令和年2月1日発行 一般社団法人 光線研究所