腸疾患の便秘、過敏性腸症候群、 潰瘍性大腸炎に対する可視総合光線療法 2
●健康成人におけるビタミンD投与による腸内細菌の変化(米国の研究2020年)
腸内細菌に対するビタミンD不足の成人20人を対象に調査した。ビタミンDは3濃度の量を投与し、腸内細菌検査は投与前と投与8週間後に行った。結果、ビタミンD投与前の血中濃度が高いとアッカーマンシア菌の比率が増加し、ポルフィロモナス菌の比率が減少した。善玉菌のアッカーマンシア菌には、抗炎症、抗肥満、血糖降下の各作用がある。悪玉菌のポルフィロモナス菌は、歯周病、動脈硬化、高血圧、虚血性心疾患、認知症などの発症の要因になる。以上、ビタミンDの投与は心疾患、肥満、ガンなどのリスクを低下させるとともに、炎症性腸疾患を低下させる菌を増加させることが明らかになった。
■可視総合光線療法
エネルギーの獲得は生命の維持にとって最も重要です。最近の研究から食物からのエネルギー摂取において腸内細菌叢が重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。人の腸内細菌叢の異常は多様性の低下と呼ばれ、種々の疾患との関連性が示唆されます。
可視総合光線療法の連続スペクトルには、光エネルギーにより皮膚でビタミンDを産生する作用があります。ビタミンDが欠乏、不足すると生活習慣病、自己免疫病、ガンなどに罹りやすくなります。さらにビタミンDの欠乏、不足は腸内細菌叢のバランスにも影響を与えて消化機能、腸の蠕動運動、免疫機能が異常になり肥満、糖尿病などの発症につながります。一方、光線療法による熱エネルギーは冷えた足腰や腹を温めることができます。腹部が冷えると腸の蠕動運動、腸管粘膜の免疫機能(抗菌ペプチドであるディフェンスの分泌低下)、消化吸収などの各機能が悪くなります。光線照射を足裏部や腹部に行う事で熱エネルギーを供給し、これらの各機能を良好にして種々の疾患を改善していきます。
■光線治療
◆治療用カーボン
便秘は3002-3002番、3002-5000番、4008-6001番、1000-4002番などを使用。過敏性腸症候群は3002-5000番、3001-4008番、1000-3001番を使用。潰瘍性大腸炎3001-5000番、3001-4008番、1000-3001番などを使用。
◆照射部位及び照射時間
両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)各5~10分間照射。その他病態に合わせて、左右下腹部㉓㉔・背正中部㉘(以上1号集光器使用)、左右咽喉部④(2号集光器使用)各5~10分間照射。
【注意】
便秘、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎では腹痛、下痢、下血などの症状がみられることがあります。これらの症状が出現した場合は、自己判断せず消化器科の医療機関を受診して下さい。
『光線研究 第63号』令和年2月1日発行 一般社団法人 光線研究所