メニエール病による難聴
■メニエール病
内耳にリンパ液が溜まる内リンパ水腫によって生じます。内耳構造の異常やアレルギー、免疫異常、内耳への血流不足などが要因として挙げられています。単独の要因ではなく、いくつかの要因が重なり発症すると考えられています。また、ストレスや疲れがたまったときに再発しやすい傾向があるため、自律神経のバランスの乱れも何らかの関係があるという説もあります。
【治験例1】
71歳 女性 154cm 54㎏
◆症状の経過
30歳の頃めまいがしたため耳鼻科を受診したところ、メニエール病と診断されたが、そのまま特に治療をせず放置していた。その後いつのまにか左耳の聞こえが悪くなった。
半年ほど前からめまいがひどくなり耳鼻科でステロイド剤の処方を受けた。服薬でめまいは治まったが、右の耳も聞こえが悪くなりキーンという金属音の耳鳴りが出始め、ますます人の声が聞きにくくなった。
このまま両耳が聞こえなくなるのではないかと心配になり、また昨年肝臓ガンの手術をしたこともあり知人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボン:治療用カーボン3002-5000番。後に3002-4008番を使用。両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥・腹部②・腰部⑥(以下集光器使用せず)、左右耳部(2号集光器使用)各10分間照射。
当所での通院治療と同時に毎日自宅での治療も開始した。治療は治療用カーボン3002-5000番の組み合わせで行ったが、なかなか効果が得られなかったので、自宅にあた3002-4008番で試したところ夜眠れなくなり、3002-5000番に戻して治療を続けた。元々睡眠が浅い方で睡眠不足気味だったが、光線治療を3週間ほど続けたところ、よく眠れるようになった。
◆治療の経過
しかし難聴の方はあまり変わらず、1ヵ月後に1000-3002番のカーボンを試したが改善しなかった。
その後、当所の指示で2ヵ月ほど3002-5000番の治療用カーボンで治療を続けたがやはり改善せず、3002-4008番に変更したところ徐々に耳の聞こえが良くなってきた。耳鼻科での聴力検査でも改善がみられ、耳鼻科の医師も驚くほど良くなっていた。これからもメニエール病が改善するよう光線治療を続ける予定とのこと。
◆考察
慢性化した耳鳴りや難聴は改善が難しいです。治療の過程で、経過が思わしくなくても、いろいろな治療用カーボンを試しながら根気強く継続して光線治療を続けたことで、結果的に改善に向かったと思われます。
また夜もよく眠れるようになったことも難聴の改善に寄与したものと思われます。
『光線研究 第633号』令和4年8月1日発行 一般社団法人 光線研究所