すこやかな妊娠と出産をサポートする可視総合光線療法 4
一般財団法人 光線研究所 所長 医学博士・黒田一明 研究員 柿沼規之
■新生児におけるビタミンD欠乏の頻度と予後(日本の研究 2008年)
ビタミンD欠乏症の指標として新生児の産科退院時の頭蓋ろう(頭蓋骨を指で押すとピンポン球のようにへこむ状態)に注目し検討した。京都市内の産婦人科で1年間に出生し正常と考えられた1120人を対象に頭蓋ろうの有無を生後5-7日目に検査したところ22%の246人に頭蓋ろうが認められた。1年間を通しての発症率では明らかな季節変動があり、4-5月出生児に最も頻度が高く、11月出生時で最も低頻度だった。これはビタミンD欠乏による他の症状と同様に在胎中の日照時間による季節変動で、正常新生児の頭蓋ろうは、在胎中のビタミンD欠乏症に関連すると考えられる。
■可視総合光線療法
近年、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診し、妊娠出産までの経過が確認できた25症例のうち、15例60%の方が「安産」と感じていました。本療法で血行状態が良好になり冷え症が改善されたこと、さらに自律神経を整えリラックス効果により緊張をほぐし妊娠継続や出産に対する不安を和らげたことも安産に寄与したと考えられます。また本療法で体内のビタミンD産生を促すことは、妊娠しやすい身体づくり、妊婦や生まれてくる赤ちゃんの体調維持や出産後の健康管理に効果的です。妊婦のビタミンD欠乏につながる考えられたビタミンD欠乏は新生児の成長に関係するため不足しないよう注意が必要です。
本療法は安定した妊娠継続と出産をサポートし母子ともに健康な状態を維持するのに大変有意義な治療法となります。
◆治療用カーボン
3001-5000番、3001-4008番などを使用。
◆照射部位・照射時間
両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)、後頭部③(1号集光器使用)、左右咽喉部④(2号集光器使用)。腹部⑤のかわりに左右下腹部㉓㉔を照射する場合もある。照射時間は各5~10分間。腹部照射で、好感がない場合や不安感が強い場合は腹部の照射は中止してもよい。
『光線研究 第632号』令和4年6月1日 一般社団法人 光線研究所発行