
すこやかな妊娠と出産をサポートする可視総合光線療法 3
一般財団法人 光線研究所 所長 医学博士・黒田一明 研究員 柿沼規之
■ビタミンD充足群と未充足群では出生率・着床率・妊娠率・流産率に差がみられ生殖補助医療の治療結果に関連
(英国の研究 2019年)
生殖補助医療の体外受精を受けた女性500名の血中ビタミンD濃度を調査し、血中ビタミンD濃度20ng/ml未満を欠乏群、21~29ng/mlを不足群、30ng/ml以上を充足群と3群に分け臨床成績を比較した。対象者の割合は、欠乏群53.2%と不足群30.8%を合わせ全体の84%に上り、ビタミンD充足群がわずか16%と少ない状況であった。出生率で比較するとビタミンD欠乏群、不足群、充足群でそれぞれ23.2%、37.7%とという結果だった。着床率や妊娠率に関しても同様にビタミンD充足群が最も高い成績(48.1%、41.6%)を示し、3群間で統計的に有意な差がみられた。また子宮内膜からはビタミンD受容体とその活性酵素が発見されている。これらのことから受精卵の着床にはビタミンDが重要な役割をしていると考えられるさらに流産率も充足群が最も低い結果となり、血中ビタミンD濃度の状態と妊娠および出産の可能性との間に関連性がみられた。
『光線研究 第632号』令和4年6月1日 一般社団法人 光線研究所発行