
プロトンポンプ阻害薬と骨折リスクの上昇(米国の研究 2011年)
骨折者約22万人を対象に、胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬の使用と骨折リスクの関連を調査した。結果、プロトンポンプ阻害薬の使用は大腿骨骨折リスクを1.25倍、脊椎骨折リスクを1.50倍増加させた。プロトンポンプ阻害薬の使用で胃酸分泌が長期に抑制されると、口腔内細菌叢が腸管内で増加し、腸内細菌のバランスの崩れを引き起こす。これにより脂肪吸収障害が起こり、ビタミンD、カルシウムの吸収が阻害されてビタミンD欠乏症やカルシウム不足で骨粗鬆症、骨折が生じやすくなる。
『光線研究 第631号』令和4年4月1日 一般社団法人 光線研究所発行