
胃食道逆流症(日本消化器病学会より)
胃食道逆流症は、胃の酸が食道に逆流することにより、食道粘膜を傷つけたり胸やけを引き起こす病気です。食道に胃酸の逆流が頻回に起こると食道粘膜がダメージを受け、ただれや潰瘍ができ、胸やけや呑酸(どんさん)、みぞおちの不快な感じが起きます。胃酸の食道への逆流は、男性では中年以降、女性は背中の曲がった高齢者に多くみられます。過食、高脂肪食や甘いものを食べた後に起こりやすく、中高年では食道裂肛ヘルニアも逆流性食道炎の原因になります。診断には内視鏡検査が行われ、治療はないか的治療と外科的治療があります。
内科的治療は胃酸分泌を抑制する薬として、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、カリウムイオン競合型酸ブロッカー(PCAB)などがありますこれらの薬は胃内で胃酸分泌を抑え、胃潰瘍などを治療し胃食道逆流症に伴う痛みや胸やけなどの緩和作用があります。薬物治療で効果がない場合は外科的治療を考慮し、食道裂肛ヘルニアの修復と緩んだ噴門を締め直す噴門形成術が行われます。日常生活では生活習慣の注意も必要です。肥満防止、過食、油物の摂り過ぎに注意します。食後は1~2時間は横にならないこと。就寝時は上半身をやや高くする姿勢がよいといわれています。
※食道裂孔ヘルニア:胸と腹部を隔てる横隔膜の「食道裂孔」と呼ばれる穴から胃の一部が胸の方に飛び出しまったもの
『光線研究 第631号』令和4年4月1日 一般社団法人 光線研究所発行