自律神経系が安定し、ひどい不眠症が改善
【治験症例 6】
不眠症、膝痛、坐骨神経痛
62歳・女性・主婦/身長158cm・体重58kg
◆症状の経過
62歳時、夫がガンと診断された。入院して手術を受けることに決まってから、不安感が強くなり、不眠症になった。近くの内科医院で精神安定剤(デパス)と睡眠剤の投与を受け、鍼治療にも通院していた。
また、60歳ごろからあった膝痛もひどくなってきたので、友人に相談したところ、光線治療を試してみてはどうかと勧められ、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部・後頭部③(以上1号集光器使用)・前額部⑮(2号集光器使用)各10分間照射。
◆治療の経過
治療器を入手して、毎日、自宅で光線治療を行い、当所(光線研究所付属診療所)への通院治療も行った。治療2~3回目で、寝つきがよくなったが、夜中に目覚めることは続いていた。
治療2週間で熟睡感が出てきて、半信半疑であった光線治療の効果に期待を持つようになった。
治療1ヵ月後、睡眠は改善し、膝痛も楽になってきた。治療半年で膝痛は解消し、正座ができるようになった。これ以降は、体調は安定して経過した。
治療8年後の現在、肩こりはあるが、睡眠は良好であり、いつの間にか光線治療の回数が少なくなっていた。夫の胃ガンが再発するのではないかという不安もあり、血圧がやや高めに推移し、当所で測定した加速度脈はからみた血行動態の得点も悪くなっていたので、今後はできるだけ毎日、光線治療を続ける予定である。
◆コメント
睡眠が精神的な影響を受けることは、よく知られている。本治験例は、夫の病気(胃ガン)がきっかけで不眠症になった。初めは精神安定剤や睡眠剤を使用していたが、光線治療を始めてからは自律神経が安定し、睡眠は改善した。膝痛もよくなり、正座が可能となった。
現在は光線治療の回数が減って、血行動態がやや悪くなっていたことがわかったため、これを機会に再び光線治療にとり組んでいる。
●血圧(mmHg)
118/76(初診時)→ 115/74(3回目)→ 107/63(1ヵ月後)→ 122/76(半年後)→ 128/72(5年後)→
133/78(8年後)
●足裏温(℃)
右:31.8(初診時)→ 32.0(3回目)→ 33.4(1ヵ月後)→ 32.8(半年後)→ 31.6(5年後)→ 31.2(8年後)
左:31.4(初診時)→ 31.6(3回目)→ 33.0(1ヵ月後)→ 32.6(半年後)→ 31.4(5年後)→ 31.0(8年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著