乳ガン術後の肩関節、上腕の痛みが改善
【治験症例 6】
乳ガン術後、肩関節痛、上腕の痛み
48歳・女性・主婦
◆症状の経過
市の健康診断を受け、右乳房のしこりを指摘された。精密検査の結果、乳ガンと診断され、1ヵ月後に右乳房全摘を腋窩リンパ節の廓清手術を受けた。
術後、右肩から右上腕にかけての痛みが強く、とくに明け方には右肩関節周囲の痛みで目覚めることもたびたびあった。また、肩関節は痛みのために充分に動かすことができず、日常生活にも大きな支障が出ていた。
◆光線治療
治療用カーボンは1000-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥・背正中部㉘・右乳房部・右腋窩部㊻・右肩部⑩各10分間、後頭部③5分間照射。⑦②⑥以上集光器使用せず、㉘右乳房部・⑩③以上1号集光器使用。㊻は2号集光器使用。
◆治療の経過
光線治療は自宅で毎日行った。治療1ヵ月後には、握力・関節可動域に若干の改善が見られた。しかし、右肩か上腕部の痛みは改善が見られず、睡眠も充分にとれず、体力回復にはまだまだの状態であった。
治療2ヵ月後、毎日通院で行っているリハビリ後の疲労感が軽くなってきた。掃除や買い物のあとに、横になって休むことがなくなってきた。
治療3ヵ月後には、明け方の痛みがなくなり、朝まで熟睡が可能になった。肩の動きも良好になり、高いところのものもとれるようになった。術後の定期検査では、「どこにも異常がなく、大変順調回復」とほめられた。
光線治療6ヵ月後、肩関節の可動制限はなくなった。趣味の編み物に熱中しすぎたり、重いものを持ったときに、右肩から右上腕部に痛みが見られる程度になった。腕のむくみも起こらず、光線治療を知らない理学療法士から「しっかりリハビリをした成果ですね」とほめられた。
光線治療を始めて2年半、術後の経過も大変良好で、体調もよい。右腕のむくみもみられず、右肩痛もないが、体調管理と再発防止のため、光線治療は日課として毎日しっかり継続している。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著