眼底出血による視力障碍が改善
【治験症例 1】
眼底出血、高血圧症
60歳・女性・主婦/身長153cm・体重51kg
◆症状の経過
50歳時、右眼に眼底出血を起こし、眼科でレーザー治療を受けた。右眼の視力障害が完治せず、降圧剤を服用しても血圧が不安定で、知人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・肝臓部㉗各10分間、腰部⑥・腹部⑤・後頭部③各5分間照射。眼部⑯5分間と左右こめかみ部㊱㊲各5分間を1日おきに交互照射。⑦①②⑤⑥以上集光器使用せず、③⑯以上1号集光器使用、㉗㊱㊲以上2号集光器使用。
◆治療の経過
治療前は仕事や趣味での対人関係でストレスが多く、食欲や睡眠は悪かった。光線照射で全身緊張がやわらぐ感じがして、自分に合っているように感じた。しばらく通院治療を受け、その後は自宅で毎日治療を行った。
治療3ヵ月で、右眼の見え具合はよくなり、眼部⑯への照射で目がスッキリする感じがあった。
治療1年後、眼科での経過も非常によく、眼科医からほめられた。また、血圧も安定した。治療を始めて4年になるが、体調は良好で、眼底出血の再発はない。
◆コメント
慢性的な血圧の上昇は、合併症として眼底血管の動脈を促進することから、健診などでは眼底検査が実施されている。眼底は、生体の血管状況を直接見ることができる唯一の部位で、動脈硬化の程度や出血の有無などを把握することができる。
光線治療は全身的、局所的な照射により血液循環を良好にするので、血圧の上昇を抑え、心臓の負担を軽減することができる。
一方、血行改善は光線療法の抗炎症作用を高めるので、眼底の出血部位の炎症、腫脹を早く解消させることになる。また、光線照射は自律神経系の緊張緩和作用もあり、高血圧には有益で、また炎症の治癒を早めることにもなる。本治験例は、このような光線療法の各作用が充分に発揮され、順調に回復することができた。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著