手術待ちの左耳中耳炎が手術不要に改善
【治験症例 3】
慢性中耳炎
51歳・女性・自営業/身長152cm・体重40kg
◆症状の経過
29歳時、風邪から左耳の中耳炎を起こし、痛みや耳だれがあったが、そのときは耳鼻科の治療で治癒した。その後、風邪や過労などで中耳炎を再発しやすくなり、両耳とも慢性化し、耳の聞こえも徐々悪くなってきた。
50歳時、年の暮れに風邪を引いたあと、両耳の閉そく感が強くなり、聞こえもとても悪くなったので、耳鼻科の診察を受けた。両耳ともすぐに手術が必要なほど中耳炎が悪化しており、まず右耳を人工鼓膜にする手術を行った。右耳の手術は、1週間後に行う予定となった。
手術した右耳はまだ聞こえが充分ではなく、左耳も手術までにすこしでもじょうたいをよくしたかったので、以前行っていた光線治療を思い出し、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦10分間、両膝部②・腰部⑥(以上集光器使用せず)・後頭部③(1号集光器使用)各5分間、左右耳部⑰⑱(2号集光器使用)各5~10分間照射。
◆治療の経過
自宅で光線治療を開始した。1週間後に左耳の手術予定であったが、耳鼻科の診察を受けて「右耳術後の経過は大変よく、左耳の状態もとてもよくなっているので、手術はもう少し様子を見よう」ということになった。
引き続き光線治療を行い、日によって聞こえがよいときも出てきた。さらに光線治療3ヵ月後、左右の耳とも日常生活に不自由がないくらい聞こえがよくなった。
その後は、病院の耳鼻科で、「いまのところ、左耳の手術をしなくてよいでしょう」と言われている。
◆コメント
本治験例は、初診時の血行動態を表す得点が非常に低く、からだ全体が冷えている状態であった。このような体の状態が続いていたことも、中耳炎を慢性化させたこの要因であったと考えられる。下記のデータからも光線治療器とともに、からだが温かくなり、血行動態も改善されて、耳の状態がよくなっていることが確認される。
●足底温(℃)
27.9(初診時)→ 32.8(1週間後)→ 34.6(3ヵ月後)
●中枢温(℃)
右:35.3(初診時)→ 36.0(1週間後)→ 36.5(3ヵ月後)
左:35.7(初診時)→ 36.0(1週間後)→ 36.7(3ヵ月後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著