前立腺肥大症、涙鼻管閉塞がともに改善
【治験症例 1】
前立腺肥大症、食道ガン術後
68歳・男性・会社役員/身長166cm・体重60kg
◆症状の経過
65歳ごろに尿の出が悪くなり、残尿感もあったので、泌尿器科で検査を受け、前立腺肥大症と診断された。その時点では手術の必要がなく、薬剤の服用で様子をみることとなった。また、67歳ごろからは眼がゴロゴロする感じがあり、涙眼になった。眼科では涙鼻管閉塞と診断され、手術を勧められていた。
前立腺と眼の症状が心配になっていたとき、友人から光線療法の話を聞き、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①各10分間、両膝部②・腹部⑤・腰部⑥(以上集光器使用せず)・後頭部③(1号集光器使用)各5分間、会陰部(前立腺部)㉖(2号集光器使用)10~15分間照射。
◆治療の経過
自宅で光線治療を始めて、すぐに排尿時にスムーズ感があった。自宅治療とあわせて当所(光線研究所付属診療所)への通院治療(4台の治療器で同時照射)も行い、2ヵ月ほどで残尿感も消退し、日中の頻尿も解消した。夜間頻尿も当初5回ほどあったが、2~3回に減り熟睡できるようになった。
◆コメント
従来、高齢男性の排尿障害は、前立腺肥大が主因で尿道を圧迫して排尿困難になると考えられていたが、手術しても期待ほど改善しないこともあり、前立腺だけが原因ないことがわかってきている。前立腺の大きさと排尿障害の程度が一致しないことも少なくない。
前立腺の肥大化が尿道を圧迫するだけでなく、交感神経の過緊張により尿道の筋肉が過剰に収縮して、尿道が狭くなり、排尿障害を起こす可能性も考えられている。
光線療法は、交感神経の過緊張を緩和することで尿道の筋肉の緊張をとり、排尿障害を改善する働きがある。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著