尿路結石が10日で膀胱に落ちた
【治験症例 9】
尿路結石
62歳・女性・主婦/身長153cm・体重58kg
◆症状の経過
62歳のとき、急に腹部の左側に痛みが出現した。近くの病院で検査を受けたところ、左尿管結石と診断された。小さい結石が1つあり、点滴と鎮痛剤投与で治療を受けた。自宅に以前購入し、使用していた光線治療器があり、結石には光線治療がよいことを知っていたので、診察と指導を受けるため、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥(以上集光器使用せず)各10分間、左下腹部㉓は20~30分間、右下腹部㉔・後頭部③(以上1号集光器使用)各5分間照射。
◆治療の経過
自宅で毎日光線治療を行った。下腹部は照射すると痛みが楽になるので、朝と晩1日2回照射した。
光線治療の継続とともに、近くの病院で点滴も受けた。光線照射を続けていると、痛みの位置が徐々に下のほうに移動していくにがわかった。治療10日後に痛みが消え、レントゲン検査で結石は膀胱に落ちていた。
後日受けたレントゲン検査では、膀胱内にあった結石がなくなっていると言われた。
その後は後頭部③以外の照射時間を、各10分間として2ヵ月間光線治療を続けた。
◆コメント
腎結石とカルシウム摂取の関係に関する最近の研究では、従来からいわれていたカルシウム摂取の制限が、逆に結石形成を促進する可能性を指摘されている。
カルシウムやビタミンD不足は、からだのカルシウム不足を補うために、骨からカルシウムの溶出を促進する。そして、長い間には必要以上に溶出したカルシウムが、体内の細胞や組織に増加し、その結果、体内各器官の働きが悪くなり、動脈硬化症、糖尿病、高血圧など、生活習慣病の原因になる。腎臓結石・尿管結石の発症も同様に、カルシウムやビタミンDの不足が影響している。
本治験例は光線治療の深部温熱作用、利尿作用、鎮痛作用によって尿管の筋肉が弛緩(拡張)して、結石の排出を促進した。腎結石の予防には、食事療法による肥満解消、光線治療によるカルシウム代謝の是正が大切である。
●血圧(mmHg)
130/93(初診時)→ 125/86(10回目)→ 128/80(2ヵ月後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著