血糖値が安定し、合併症もない
【治験症例 4】
糖尿病、高血圧症
60歳・女性・主婦/身長155cm・体重63kg
◆症状の経過
53歳のとき歯科治療の際に、血圧が高いことを指摘された。内科を受診したところ高血圧と糖尿病の診断をされ、高血圧は降圧剤の投与を受け、糖尿病は食事療法で経過をみることになった。糖尿病の合併症を心配していたところ、知人の紹介で当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②・腰部⑥各10分間、両足首部①・腹部⑤(以上集光器使用せず)各5分間、背正中部㉘10分間、後頭部③(以上1号集光器使用)5分間照射。
◆治療の経過
食事療法を続けても、血糖値は230~250mg/dlと高い状態であったが、光線治療開始3ヵ月で、血糖値は120~150mg/dlに下がってきた。その後は背正中部㉘の照射が気持ちよいので、㉘への照射を20分間に延長して治療を続けた。5年間は光線治療をしっかり続けた。
しかし、その後はあまり熱心に光線治療をしなかったことから、視力障碍が見られるようになり、62歳時に白内障の手術を受けた。
術後、網膜剥離の兆候があったので、肝臓部㉗(2号集光器使用)10分間、顔(眼・鼻)部⑯(1号集光器使用)5分間を含め、再び光線治療をしっかりと実行した。光線治療の再開により、不思議と網膜剥離にならずに経過した。65歳の現在、血糖値あ安定し、HbA1cも6%台と良好である。
◆コメント
糖尿病の治療では、合併症の予防が重要である。
糖尿病による合併症は、眼では視力障碍(失明)、心臓では虚血性心臓病、腎臓では尿毒症など、どれもが健康の大きな障害となる。
光線治療は新陳代謝(糖代謝)の改善、ビタミンDやカルシウム代謝によるインスリンの分泌の改善を介して血糖をコントロールし、合併症予防にも寄与することができる。この作用は食事療法の併用によりさらに効果的となる。
本治験例では光線治療の中断によって、白内障が進行して手術を受ける結果になったが、術前から光線治療を再回したことで、術後の網膜剥離発症を予防できた。
●血圧(mmHg)
154/84(初診時)→ 137/69(3ヵ月)→ 148/67(再開時)→ 125/66(3年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著