糖尿病合併症の眼瞼下垂などが改善
【治験症例 7】
糖尿病
75歳・男性・不動産会社経営/身長160cm・体重50kg
◆症状の経過
70歳すぎから下痢と便秘を繰り返し、71歳で血便も出るようになった。病院検査を受けて大腸ガンと診断され、S状結腸を30cm切除した。術後の経過は良好であったが、75歳から急にからだるさが急に強くなり、日中でも横になりたい感じや口渇を覚えるようになった。
病院の検査では血糖値が350mg/dlで、糖尿病と診断された。体重も1ヵ月で6kg減少し、右眼瞼下垂症になり、眼が開けづらくなった。糖尿病性神経障害のひとつと言われ、食事療法を厳格に行うよう指導された。
光線治療は、50歳時に慢性肝炎と診断されてから、両足裏部⑦・肝臓部㉗背正中部㉘を中心に行っていたが。血糖値安定と糖尿病の諸症状軽減を目的に、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦。右こめかみ部㊲書く10分間、両膝部②・腰部⑥・左右下腹部㉓㉔・後頭部③各5分間照射。上記終了後に治療用カーボン1000-3001番に変更して、肝臓部㉗・背正中部㉘各10分間照射。⑦②⑥以上集光器使用せず、㉓㉔③㉘は1号集光器使用、㉗㊲以上2号集光器使用。
◆治療の経過
治療開始1ヵ月間で血糖値は250mg/dlに下がり、体重の減少も止まった。3ヵ月目には空腹時血糖値は120mg/dl前後で安定し、右眼瞼(まぶた)も上がりやすくなった。
6ヵ月目ごろからは、眼瞼を意識することなく、スムーズに動かせるようになった。その後10年間経過しているが、糖尿病、慢性肝炎とも合併症もなく、安定した状態である。現在87歳だが、70歳代前半に見られる若々しさを保っている。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著