薬剤性肝障害による症状が改善

【治験症例 7】

 薬剤性肝炎、冷え症、緑内障

 71歳・女性・主婦/身長147cm・体重51kg

◆症状の経過

 60歳時、風邪薬を服用してから肝機能が悪化し、GOTが1000Iu/lを超える状態であったので、入院治療を受けた。退院後は漢方薬の服用で治療を行っていた。

 肝障害になってから、疲れやすく、足が冷え、後頭部や脇の下の発汗が多くなった。長時間歩くと、膝や臀部などが痛くなることがあった。

 知人から紹介されて当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。

◆光線治療

 治療用カーボンは1000-3001番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腰部⑥・肝臓部㉗・背正中部㉘各10分間照射、腹部⑤・後頭部③各5分間照射。⑦①②⑤⑥以上集光器使用せず、㉘③以上1号集光器使用、㉗2号集光器使用。

◆治療の経

光線治療は、当所(光線研究所付属診療所)への通院治療(月間5~6回)と自宅治療を行うことにした。肝機能の漢方薬で改善傾向が見られていたが、光線治療前は基準値範囲よりまだ高い値であった。光線治療3カ月で、肝機能の数値は基準値範囲内に安定してきた。

 治療半年後、相変わらず足の冷えは続いているので、両足裏部⑦・両足首部・両膝部②は1日2回照射して、光線治療を継続した。治療1年後、足の冷えは改善し、肝機能は基準値範囲で安定していた。治療2年後、風邪を引くこともなく、体調はよくなった。

 治療4年後、肝機能はとくに異常なく、好きな旅行にもよく出かけていた。しかし、肝障害による影響からか、緑内障の徴候が現れるようになった。

 肝臓への光線治療を続けていたので、眼圧は正常であったが、念のため3001-5000番の治療用カーボンを使用して、眼部⑯・左右こめかみ部㊱㊲(以上2号集光器使用)各5分間の照射を追加した。

 治療9年後の現在(71歳)、足の冷えは多少あるものの、肝機能は基準値範囲内で推移し、緑内障の進行もなく、体調は良好である。

◆コメント

 薬剤の副作用にはさまざまな障害があるが、肝臓障害は出現頻度の多い副作用といえる。

 本治験例は漢方薬で完全に改善しなかった肝臓障害が、光線治療による正常に戻ったものである。薬剤による肝臓障害の改善には、光線治療の温熱と光化学の両作用が肝臓における解毒作用を促し、さらに腎臓における毒素排出を促した結果と考えられる。

 本治験例は治療9年目に入ったが、緑内障の経過もよく、元気に治療を続けている。

●血圧(mmHg)

93/66(初診時)→ 97/63(3ヵ月後)→ 102/70(半年後)→ 97/61(1年後)→ 102/61(4年後)→ 109/69(9年後)

●足裏温(℃)

右:30.2(初診時)→ 29.8(3ヵ月後)→ 30.6(半年後)→ 33.8(1年後)→ 34.8(4年後)→ 32.5(9年後)

左:29.7(初診時)→ 29.5(3ヵ月後)→ 30.3(半年後)→ 33.5(1年後)→ 34.7(4年後)→ 32.6(9年後)

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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