末梢血管疾患とビタミンD濃度の関係
最近の論文によると、末梢動脈に血行障害のある患者は血中ビタミDン濃度が低く、重症になるほどビタミンD濃度が低くなることが報告されている。
これはビタミンD欠乏がカルシウム代謝を悪化させ、その結果、動脈にカルシウムが沈着して血行不良になる。末梢血管疾患は重症になると、下肢に皮膚潰瘍ができたり、足の指が壊死して、指の切断にいたる場合もある。
また、下肢の血行不良は日常の生活範囲をせばめ、外出が減って、ますます日に当たる機会も少なくなることになり、ビタミンD欠乏の状態はますますひどくなってしまう。
このように光線治療は、熱・光エネルギーの補充による温熱効果と光化学作用で血液循環を良好にし、ビタミンD・カルシウム代謝の円滑をはかり、各器官の機能を良好にして、生活習慣病の予防に大きな働きが期待される。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著