日照と血圧・心疾患の研究
日照と血圧の関係は古くから指摘されており、最近の大規模な疫学研究では、血圧は赤道から遠くなるほど高くなり、高血圧になる人が増加することが明らかにされている。これは紫外線による皮膚でのビタミンD産生を反映しており、日照不足がビタミンD不足を招き、カルシウム代謝が異常になって、血圧を上げることを示している。
日照と心疾患の関係も同様の研究がなされている。心筋梗塞の発症には冬に多いという季節変動があり、そのことは寒冷の要素も考えられる一方で、暖かい地域でも冬に心筋梗塞の発症が多い傾向にある。そのことから、寒冷の関与というよりは、日照時間低下によるビタミンD産生低下が関与していることが示唆されている。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著