日光不足とカルシウム不足
からだを元気に動かすには、何よりも良好な血液循環が欠かせない。そして、良好な血行を維持するためには、血液を全身に送り出す大本の心機能と、血液からだの末梢まで送る血管(動脈)の順調な機能が必要となる。
心臓や血管を含む循環器系の機能は、正常な体温を維持する熱エネルギーやカルシウム代謝と深くかかわっている。これらの循環機能を良好に維持するには、正常な体温を保ち、光エネルギーによってつくられるビタミンDを中心としたカルシウム代謝を正常に保つことが重要である。体温維持による良好な血液循環は、新陳代謝に必要な多くの酵素を活性化させるためにも、重要な役目を果たしている。
日光不足やビタミンD・カルシウム不足が続くとカルシウム代謝が異常になって、各器官や組織内のカルシウム濃度が上昇し各々の働きが悪化する。
とくに血管ではカルシウム沈着による動脈硬化が進行したり、血管を広げたり締めたりする血管平滑筋の働きに異常(収縮する)をきたす。血管平滑筋が収縮すると、血管内腔がせばまるために血圧が上昇し、高血圧になる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著