下肢のむくみ、歩行時の息切れが改善
【治験症例 4】
下肢のむくみ
69歳・女性・主婦/身長151cm・体重54kg
◆症状の経過
60歳ごろから、長時間立って仕事をしたり、夕方疲れたときなどに、下肢にむくみが出やすくなった。68歳ごろから、下肢のむくみがたいへん強くなり、パンパンに硬直し歩行不能になることがあった。また、5分くらい歩くと息切れするようになり、長時間歩くことが困難になったきた。
病院の検査を受けたところ、不整脈が指摘された。心臓の働きも弱っているので、下肢のむくみも心臓に原因があると診断され、むくみ(浮腫)をとるためにの服用を始めた。しかし、むくみ症状の改善はあまり思わしくなかった。そのような折に、女学校時代の友人から光線治療を紹介され、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3000-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②(以上集光器使用せず)を各10分間、左右咽喉部④(2号集光器使用)を5分間照射。
◆治療の経過
光線治療器を求め、自宅治療を開始した。光線治療とともに、徐々にむくみや息切れは減り、歩行も楽になった。光線治療3ヵ月後には、20分ぐらいは続けて歩けるようになった。また、それまで歩行時によろける感じがあったが、このよろけ感がなくなった。
光線治療半年で下肢のむくみはなくなり、平地の歩行では息切れがなくなった。また30分間ぐらいは続けて楽に歩けるようになった。
●下肢周囲径の経過(cm)
大腿部右:47.0(初診時)→ 45.0(3ヵ月後)→ 42.0(6ヵ月後)
大腿部左:48.5(初診時)→ 47.5(3ヵ月後)→ 45.0(6ヵ月後)
下腿部右:34.5(初診時)→ 31.5(3ヵ月後)→ 31.0(6ヵ月後)
下腿部左:35.0(初診時)→ 33.5(3ヵ月後)→ 30.5(6ヵ月後)
●血圧(mmHg)
122/66(初診時)→ 109/68(3ヵ月後)→ 98/58(6ヵ月後)
●脈拍数(拍/分)
100(初診時)→ 88(3ヵ月後)→ 84(6ヵ月後)
●1回拍出量(cc)
64(初診時)→ 71(3ヵ月後)→ 94(6ヵ月後)
◆コメント
光線治療の継続とともに、心臓の働きが回復し、血液の循環がよくなったことで、下肢のむくみが改善され、息切れもしなくなったと思われる。心機能が改善したことは、血行動態のデータの推移からも、心臓の1回拍出量が増え、逆に脈拍数が減ったことで裏付けられる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著