脳出血後遺症による右手足の不自由さが改善
【治験症例 8】
脳出血後遺症
74歳・女性・主婦/身長145cm・体重51kg
◆症状の経過
63歳のとき、脳出血を起こし、右半身不随となり、その治療リハビリテーションのために、半年間入院した。
リハビリ訓練で手足の動きはだいぶ回復したが、歩行時にはやや右足を引ずり、右手の動きも悪く、日常の食べ物の味がよくわからなかった。
退院後、友人の勧めで光線療法を始めた。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-5000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・腰部⑥・後頭部③・右肩部⑩・右後肘部㉞・右手(患部)を各5~10分間照射。⑦①②⑥以上集光器使用せず、③⑩㉞右手(患部)以上1号集光器使用。
◆治療の経過
光線治療を始めると、よく眠れるようになり、体力がついてからだを動かしやすくなった。
治療半年で、握力は左手15kgから18kgへ、右手は3kgから13kgへと改善した。
治療2年目から歩行はほぼ正常となり、指先の動きもよくなったので、家事もできるようになってきた。また味覚障害は回復までに5年かかったが、ほぼ治癒した。
治療10年目の現在、握力は左手21kg、右手20kgに増えて、右手足の動きは全く問題ない。その後、血圧も安定して、元気に暮らしている。
◆コメント
脳血管障害による片麻痺は、リハビリテーションにより、ある程度は回復できるものだが、回復プログラムに沿った規則正しい運動を継続しなければならない。しかし、片麻痺を完全に回復させることは容易ではなく、患者本人の粘り強い努力と、家族の支援が求められる。
リハビリテーションをスムーズに進めるためには、本治験例のように、光線療法を行うことが効果的である。光線療法により全身の血行や筋肉疲労を改善することで、リハビリの効果を高め、患者の意欲を高めることができる。
麻痺した手足は血行不良となり、冷えていることが多いので、光線療法の温熱作用により、硬くなった筋肉や関節の動きをよくする効果が得られる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著