漢方薬でも治らなかった乾癬が完治
【治験症例 11】
尋常性乾癬
60歳・男性・会社員/身長156cm・体重55kg
◆症状の経過
58歳ごろ、全身に湿疹が出現したため、皮膚科を受診した。原因は不明で、温まるとかゆみがあったが、漢方薬の服用で様子を見ることになった。
その後は、他の皮膚科を受診して尋常性乾癬と診断され、漢方薬は続けるように言われた。漢方薬で皮疹はいくらか薄くなったが、それ以上の改善が見られないため、友人より光線治療を勧められ、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3002-4000番を使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・後大腿部・腹部⑤・腰部⑥・背中(以上集光器使用せず)・左右上腕部(1号集光器使用)各10分間、左右咽喉部④(2号集光器使用)各5分間照射。
◆治療の経過
もともと喫煙はしないが、以前から酒量が多く、晩酌で毎日ビール5~6本を飲んでいた。飲酒や寝不足で、乾癬が悪化することはわかっていたが、なかなか酒量を減らすことができなかった。
当所(光線研究所付属診療所)の担当医の指示もあって、飲酒の回数を減らし、自宅で毎日光線治療を行った。飲酒が原因かどうか不明だが、足の冷えがあったので、忙しいときも両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②は必ず照射した。
治療半年で乾癬はかなり薄くなってきた。その後、光線治療が行うのが不規則なこともあり、皮疹の状態に多少変動が見られたが、治療1年前後でほぼ皮疹は消退した。
◆コメント
尋常性乾癬は、いまもなお原因が不明な皮膚病のひとつである。皮疹が全身にできるので、患者の精神的・肉体的苦痛は予想以上に大きいといわれる。
光線治療は乾癬に大変効果が見られる。本治験例は悪化原因の飲酒を続けていたので、完治まで期間がかかったが、漢方薬でもよくならなかった乾癬が1年の光線治療で完治した。現在も再発予防と健康維持のために、光線治療は継続している。
●血圧(mmHg)
146/74(初診時)→ 132/68(1年後)
●足裏温(℃)
右:22.2(初診時)→ 24.7(1年後)
左:22.4(初診時)→ 24.9(1年後)
●握力(kg)
右: 38(初診時)→ 42(1年後)
左: 38(初診時)→ 40(1年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著