アトピー皮膚炎と気管支喘息が改善
【治験症例 10】
アトピー性皮膚炎、気管支喘息
16歳・男性・高校生/身長155cm・体重50kg
◆症状の経過
生後1ヵ月ごろから湿疹が出現し、小児科、皮膚科でアトピー性皮膚炎と診断された。病院からのステロイド外用薬は、あまり使わなかった。食物(卵・牛乳・大豆)アレルギー、ダニアレルギーがあり、食事療法、温泉療法、クロレラ療法などを行ったが、どれも効果は見られなかった。かゆみが強いので、非ステロイドの外用薬をつけていた。
4歳時、手足の冷え、かゆみが強いので、すでに光線治療を行っていた母親に連れられて、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-3002番を使用し、両足裏部⑦・下腿部・両膝裏部(以上集光器使用せず)を各10分間、左右そけい部㉓㉔・左右肘内側部・顔(眼・鼻)部⑯を各5分間照射、後頭部③(以上1号集光器使用)と左右咽喉部④(2号集光器使用)は各5分間交互に照射。
◆治療の経過
非ステロイド系の外用薬と馬油を塗布しながら、自宅で光線治療を続けた。
治療3週間後、頚部前面とそけい部のかゆみは改善したが、他の部位は変化なく、37.2℃の微熱が続ていた。
治療2ヵ月後、口周辺の湿疹はよくなり、他の部位の湿疹もきれいになってきた。治療7ヵ月後、アトピー性皮膚炎が足首の部分に少し再発したが、光線照射を続けたところ、2ヵ月ほどでよくなった。その後は馬油のみで、アトピー性皮膚炎は落ち着いていた。
6歳時、喘息のため、病院に入院して治療を受けた。アトピー性皮膚炎の状態はよかったので、治療用カーボン3000-5000番を使用して、喘息の治療を行った。
その後、喘息は光線治療と服薬により、10歳以降は安定し、アトピー性皮膚炎のほうはときどき部分的にかゆみが出る程度であった。
13歳ごろから学校でのストレスによると思われる眠気、フワフワ感、集中力の低下があった。
12年後(16歳)になって、アトピー性皮膚炎が少し再発したので、保湿用のワセリンと弱いステロイドの外用薬を塗布していたが、かゆみが続くので、当所(光線研究所付属診療)を再診した。
現在は治療用カーボン3001-3002番を使用して、照射を続けている。
●血圧(mmHg)
108/65(再診時・14歳)→ 111/65(2年後・16歳)
●足裏温(℃)
右:32.6(再診時・14歳)→ 32.6(2年後・16歳)
左: 32.5(再診時・14歳)→ 32.6(2年後・16歳)
●握力(kg)
右:30(再診時・14歳)→ 35(2年後・16歳)
左: 28(再診時・14歳)→ 34(2年後・16歳)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明