内出血した顔面の打撲が2週間で完治
【治験症例 3】
顔面の打撲
80歳・女性・主婦/身長145cm・体重47kg
◆症状の経過
77歳時に軽い脳梗塞を起こし、右半身に違和感が残っていた。日常生活は総じて不自由はなかったが、ときどき足がもつれることがあった。また両膝痛があり、夜間に痛みで目が覚めたりしたが、減量(当時体重50kg)と光線治療半年間で痛みが解消していた。しかし、右足のもつれ感はいつまでとれなかった。
今回は、自宅のコタツの電源コードに足をひっかけて転び、とっさに手で支えることができず、柱に顔を強打した。眉間を中心に内出血があった。近医に受診したところ、幸い骨折はしなかったが、全治1ヵ月の顔面打撲と診断された。また、以前より噛み合わせが悪く、歯科治療を受けていたが、転んだショックから左こめかみの痛みが強くなり、食事をするのが不自由になった。
光線治療は20年前より、おもに緑内障の治療で使用していた。眼科の診察でも症状の進行が見られず、いつも非常に経過がよいと診断されていた。
今回は顔面打撲の光線治療を行うために、当付属診療所を受診した。
◆光線治療
3001-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部⑦・両膝部②各10分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③・右こめかみ部㊲各5分間、左こめかみ部㊱10分間照射。眼・鼻部⑯は遠めから眼を閉じて15分間照射した。⑦②⑤⑥は集光器使用せず、③⑯は1号集光器使用。㊱㊲は2号集光器使用
◆治療の経過
受傷後1週間は痛みが強く、1日2回自宅で光線治療を行った。治療中と治療後は痛みがなくなるので、寝る前に治療すると朝までぐっすり眠ることができた。
治療開始8日目より、顔のむくみと内出血の痕がみるみる縮小した。治療開始2週間目で、顔部のむくみ、痛みがあくなり、完治した。
同時に左こめかみの痛みもなくなり、何でもおいしく食べられるようになった。光線治療は、健康管理と緑内障進行予防のため、いまでも毎日継続している。
◆コメント
末梢血液循環状態のよさは、皮下での活発な新陳代謝を示している。本治験例では加速度脈波頚による血行動態を表す得点は-20であり、この得点は60歳代前半の値に相当する。この末梢血液循環状態のよさは、20年間にわたる光線治療の継続によるものであり、その結果が顔面打撲の早期治癒に結びついたと考えられる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著