指の開きが悪くなる手根管症候群が改善
【治験症例 1】
手根管症候群
61歳・女性・主婦/身長154cm・体重50kg
◆症状の経過
61歳時、ある朝目が覚めると右手第1指と第3指の開きが悪いのに気づいた。起床後、手指を動かしていたら、自然に開くようになった。しかし、指の開きが悪い状態はその後も続き、ときには左手の指にも同様の症状が見られたため、整形外科を受診した。
検査の結果、リウマチ反応は陰性で、手根管症候群と診断された。医師から注射による治療を勧められたが、果たしてよくなるのか心配で、以前求めた光線治療器で治療できないかと思い、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
3002-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・後頭部③各5分間、左右手のひら側と甲側各10分間照射。⑦①②は集光器使用せず、③・左右手は1号集光器使用。
◆治療の経過
元来、冷え症と肩こりが強く、光線治療で冷え症は改善したが、肩こりはなかなか改善しなかった。その影響もあって、徐々に手根管症候群になった可能性がある。当所(光線研究所付属診療所)受診前は3001-4008番の治療用カーボンを使用していたが、診察により3002-5000番の治療用カーボンに変更したところ、わずか3回の光線治療で手指の動きが著明によくなった。
その後は、ときどき手指の動きが悪いこともあったが、手根管症候群、冷え症の予防、肩こりの治療を兼ねて、光線治療を継続し、治療半年後の現在、体調は大変よい。
◆コメント
手根管症候群は圧倒的に女性に多い疾患で、50~60歳の女性に最も多いといわれている。本症の発症因子のひとつとして血流障害があげられる。手指の開きが悪くなるため、日常生活にいろいろ支障が起こってくる。
悪化すると手の筋肉が萎縮し、細かい動作ができなくなることもある。本治験例は、手根管症候群の状態が軽く、3回の光線治療で手指の開き具合はほぼ改善した。光線治療を継続して半年後の現在、再発は見られない。
●血圧(mmHg)
156/85(初診時)→ 127/80(3回後)→ 145/87(半年後)
●足裏温(℃)
右:32.8(初診時)→ 32.0(3回後)→ 33.0(半年後)
左:33.4(初診時)→ 31.8(3回後)→ 33.1(半年後)
●握力(kg)
右:22(初診時)→ 24(3回後)→ 30(半年後)
左:24(初診時)→ 25(3回後)→ 32(半年後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著