両膝の痛みが解消、正座が可能となる
【治験症例 9】
変形性膝関節症
56歳・女性・主婦/身長164cm・体重69kg
◆症状の経過
53歳で閉経したが、その前後から両膝が痛くなり、整形外科を受診した。レントゲン検査で変形性膝関節症と診断され、膝の水を抜いて薬を注入されたが、効果はなかった。担当医から、減量して下肢の筋肉を強くするように勧められた。整形外科では湿布程度の治療しかなかったので、友人に相談したところ光線治療を勧められた。腰痛もあり、更年期の冷えやのぼせもあるので、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療
治療用カーボンは3001-4008番を使用し、両足裏部⑦・両膝部②の表裏・腰部⑥各10分間、両足首部①・腹部⑤・後頭部③各5分間照射。⑦①②の表裏⑤⑥以上集光器使用せず、③1号集光器使用。
◆治療の経過
2~3日に1回の通院治療でしばらく様子をみることにした。1回目の治療で、帰宅後も足が温かく軽く感じた。治療2回目で、両膝の痛みがすっかり引いた。
治療3回目で、歩行時や階段昇降時の膝の痛みが軽くなったので、これからは光線治療器を求めて、自宅でも治療を継続することにした。
患者は「こんなに気持ちよく効果のある治療を、いままで知らなかったのは損をしていたようだ」と言っていた。
◆コメント
変形性膝関節症は、中年の肥満の女性によく見られる関節疾患である。本症の原因としては、肥満による過体重がよく指摘される。しかし、ただ単に体重が重いだけでなく、肥満によってからだを動かすことが減り、その結果、下肢の筋力低下が起こり、いっそう膝に負担がかかることが大きく病状に影響している。
したがって、変形性膝関節症の改善には、減量とともに下肢の筋力をつけることが重要になる。そのためには、まず本治験例のように光線治療によって、痛みを迅速に軽くすることが大切である。これにより、まずからだを動かしやすくし、続いて減量や筋肉強化にとり組むことである。
●血圧(mmHg)
110/83(初診時)→ 124/75(1回後)→ 134/82(2回後)→ 106/76(3回後)
●足裏温(℃)
右:29.4℃ (初診時)→ 32.0(1回後)→ 33.0(2回後)→ 28.5(3回後)
左:28.7℃ (初診時)→ 31.8(1回後)→ 33.1(2回後)→ 29.3(3回後)
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著