鎮痛剤も坐薬も効かなかった腕のしびれがとれた

【治験症例 6】

 変形性頚椎症

 64歳・女性・主婦/身長150cm・体重54kg

◆症状の経過

 64歳時、左手指先のしびれ、肩から腕にかけての痛みが現れるようになり、しばらく様子を見ていたが、変化がないので整形外科を受診した。レントゲン、CT、MRI検査などを受け、変形性頚椎症と診断された。牽引治療でしびれは軽くなったが、肩から腕にかけての痛みは変化がなかった。

 鎮痛剤を服用しても、坐薬を使っても、効果がなかったので、以前から腰痛で光線治療をしていた夫の、治療用カーボンを使って光線照射したところ、痛みが緩和する感じがあった。正式に診察を受けてから光線治療をしようと思い、当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。

◆光線治療

 3002-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部・両膝部・腰部各10分間、左肩から上腕部・前腕から手指部各10分間、後頭部5分間照射、両足裏部・両膝部・腰部・左肩から上腕部・前腕から手指部は集光器使用せず、後頭部1号集光器使用。

◆治療の経過

 自宅で毎日光線治療を行った。治療1ヵ月で、まず前腕の痛みが軽減し、治療2ヵ月で上腕の痛みが減り、痛みで夜間目を覚ますことがなくなり非常に喜んでいた。

 痛みが減ってよく眠れるため、睡眠導入剤を服用することが減ってきた。光線治療時間がとれる日は、1日2回治療して、治療4ヵ月で左上肢の痛みは完治した。

 まだ肩こりは続いえているものの、夫に肩をもんでもらう回数が減った。

◆コメント

 本治験例のように、変形性頚椎症、あるいは変形性腰椎症と診断されるケースはよくあるが、その多くは頚や腰の筋肉疲労から起こっていることが少なくない。

 この筋肉疲労の改善に鎮痛剤を使用すると、むしろ逆効果になることがある。なぜなら、筋肉疲労の治療には、患部に血液を送り込むこと、つまり血行をよくすることが重要なポイントになるからである。しかし、鎮痛剤は血行を悪くするため、ますます筋肉の血行不良を増悪させてしまい、いつまでも痛みが緩和しない状況に陥ってしまう。

 光線治療はその優れた深部温熱効果により、患部の血行を改善することによって炎症を速やかに鎮め、その結果、鎮痛効果を発揮することができる。

 本治験例では、鎮痛薬が多量に含有された生薬を使用しても、痛みが緩和されなかったケースであるが、鎮痛剤を中止して光線治療を続けた結果、血行がよくなるとともに、苦しかった上肢の痛みが完治した。

●血圧(mmHg)

135/83(初診時)→ 125/73(2ヵ月後)→ 125/68(4ヵ月後)

●足裏温(℃)

右:31.5(初診時)→ 33.4(2ヵ月後)→ 32.7(4ヵ月後)

左:31.4(初診時)→ 33.3(2ヵ月後)→ 32.5(4ヵ月後)

(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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