結石 1
結石には、胆石(胆嚢胆石、胆管胆石、肝内胆石)、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)、唾石、膵臓結石、前立腺結石などがあります。これらはすべて、消化液などの体液を分泌する器官や老廃物を排泄する腎・尿路系にできます。このような器官では、食事内容や年をとるにともなって、結石ができやすくなります。さらに、各器官に感染症があったり、肥満、糖尿病、副甲状腺の機能異常などがあると結石を合併しやすくなります。また、胃潰瘍などで胃の切除した後では、胆石が高頻度で発生するといわれています。
種々の結石とその症状
1)胆石症
胆嚢や胆管の中にできた結石を胆石といいます。胆石は、コレステロール系とビリルビン系に2種に大別され、わが国では、食生活の変化にともなってコレステロール結石が増加しています。特徴的な症状は疝痛発作とよばれる腹部の激しい痛みで、発作的に起こり、数時間以上続きます。
2)唾石症
唾石症は、唾液を分泌する顎下腺、耳下腺、舌下腺に、唾液に含まれる炭酸カルシウムやリン酸カルシウムと有機物が沈着して形成されます。唾石は、顎下腺の出口にできることが多く、食事のときに痛みが出ることがあります。
3)腎・尿管結石症
腎石は、砂状のものから、腎盂全体を占める大きなものまであります。
腎石は、尿に溶けていた塩類が、腎盂の中で固まったもので、尿酸、炭酸、リン酸、しゅう酸などにカルシウムがついたものをいいます。
結石形成には、細菌感染や代謝異常などが誘因となりますが、はっきりした原因は不明です。結石が尿管につまって、急に腎盂の内圧が高くなると、腎臓部に疝痛(さしこむような痛み)が起こります。また、結石が尿管を通過するときにも痛みが起こります。
結石の光線治療
結石は小さいものから自然排石も可能ですが、大きくなると疝痛発作もたびたび起こり、外科的な処置を行うことが多くなります。可視総合光線療法は、全身的な照射により、結石のできている臓器、期間の働きを調整して、結石の溶解や排石を促進する作用があります。この作用が十分に発揮されるには、全身の血液循環をよくすることが大切です。血行改善によって、各器官の働きが調整されて、異物の排出を促進することになります。特に腎・尿路系の結石では、可視総合光線療法の利尿作用が大きく寄与します。
腎結石について、米国のハーバード大学の研究によると『カルシウムの摂取が多い人ほど腎結石の発生がすくなかった』という報告があります。
以前から腎結石患者では尿中のカルシウム濃度が高いためにカルシウム摂取を制限する傾向がありました。しかし、これらの論文は、カルシウムはむしろ積極的に摂取することが結石予防に効果があることを示してます。腎結石は予防が大切で、可視総合光線療法は利尿作用とともにカルシウム代謝を是正しますので、腎結石などの再発予防に利用できます。
※可視総合光線療法の異物排出作用は、人工的な異物である眼内レンズ、人工関節、ペースメーカー、骨折治療の固定金属などには作用しませんので、これらの人工的な異物がある場合も安心して治療を行うことができます。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著