高脂血症 2
高脂血症の原因と治療
肉類、脂肪の多い魚、バター、ベーコンなどの動物性脂肪や卵、ウニ、イクラ、レバーなどコレステロールを多く含む食品の過剰摂取が原因になります。また、カロリーの摂り過ぎ、運動不足も原因になり、中年肥り、糖尿病などに気を付ける必要があります。治療法としては、生活習慣の改善、運動療法、食事療法、薬物療法などがあり、精神的・肉体的ストレスを避けるようにすることも大切です。
毎日7000~1万歩を汗ばむ程度の速さで歩くなど、適度な運動を心がけることが必要です。食事では、動物性脂肪を取り過ぎないように注意します。トリグリセライド値が高いのは、多くは食べ過ぎが原因です。脂肪の量全体を少なめにし、砂糖、甘いもの、アルコールなどもできるだけ少なくする必要があります。
高脂血症の光線治療
古来、私たちのからだは、生体の新陳代謝を活発にする日光浴の作用を上手に利用し、内臓の内分泌作用を高めたたり、脂肪の蓄積を防いだり、筋肉を強くしたりすることで効果結果を得ていました。屋外飼育の家畜は、屋内飼育の家畜ほど太らないといわれています。
可視総合光線療法は、新陳代謝を高める作用があり、高脂血症については脂質代謝を改善して血中コレステロールをなどに影響し、同時にカルシウム代謝異常を改善してカルシウム・ビタミンD不足によって生じる動脈硬化の改善にも影響しています。光線療法により血中コレステロールが下がる場合があり、光線(紫外線)の血中コレステロールを下げる作用の一部によるものと考えられます。
カナダのアルシュール博士によると、動脈硬化症や高血圧の患者に紫外線を照射すると、78人中61人で血中のコレステロールが有意に低下し、その低下率は8.9~14.2%と報告しています。さらに高血圧症患者ではコレステロールの低下とともに血圧も低下したことから、血圧が高く、コレステロールも高い患者には紫外線照射は有効な治療になると付け加えています。一方、博士はウサギにコレステロールが多い食事を与えて動脈硬化を作る実験を行い、紫外線を照射したウサギと照射しないウサギで動脈硬化の進行に違いがあるかどうかを検討しました。解剖したウサギの動脈を見ると、紫外線を照射をしないウサギでは動脈硬化の進行が著明でしたが、紫外線を照射してウサギでは動脈硬化の進行は著しく抑制されていることが判明しました。同様の研究結果は、ホーリック博士によるラットの実験でも示されています。高コレステロール食で飼育したラットでは、紫外線の照射はコレステロールと中性脂肪の双方を低下させると報告しています。
ドイツのバース博士らの研究は、高脂血症患者に紅斑が生じない程度の紫外線を週に3回、4週間照射して血中脂質を測定し、紫外線照射は心疾患を予防するHDLコレステロールを増加させると報告しています。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著