糖尿病 2
糖尿病の病型
1)インスリン依存型糖尿病(Ⅰ型糖尿病)
このタイプの糖尿病は、どの年齢にもみられますが、若年層により多く発症します。一般的には30歳までのことが多いようです。
発症は急速で、ケトーシス(代謝障害により血液が酸性に傾き、重症では昏睡に陥る)を起こしやすく、生命維持とケトーシ防止のため、インスリンの使用を必須とする糖尿病です。発症の原因として自己免疫が考えられています。
2)インスリン非依存型糖尿病(Ⅱ型糖尿病)
従来の日本人の糖尿病の大部分は、この型に属しました。日本人が、糖尿病といえば、すぐ遺伝と考え、過食と肥満を誘因と考えたのは、このインスリン非依存型糖尿病によって、糖尿病が代表されていたためです。
このタイプの糖尿病は、発症は一般にゆるやかで、ケトーシス傾向が乏しく、治療上必ずしもインスリンを必要としません。また、糖尿病の家族歴を持つ者の頻度はⅠ型糖尿病よりも高く、発症前に肥満症であった者が多いのも特徴です。
無症状のまま経過することも多く、発見が遅れたり、すでに網膜症を合併していたりすることもありますので要注意です。誘因としては、過食、肥満が多く、また感染症やストレスによっても、急激に症状が前面に出ることもあります。
3)その他の糖尿病
第3の糖尿病といして、特定の病的症状や症候群によって起こる糖尿病があります。例えば腎臓の病気、内分泌の病気、薬物によるもの、特定の遺伝病にともなうものがあります。
糖尿病の症状
糖尿病の症状には、インスリン代謝異常に関連深いものと合併症に関連深いものに大別され、その種類は数多くあります。
よく知られているものをあげると、口渇、多飲、多尿、急速な体重減少、全身倦怠感、脱力感などがあります。一部では重大な合併症による症状(網膜症、脳卒中、心筋梗塞、腎不全など)が出現して、初めて糖尿病が発見されることもあります。
合併症
糖尿病では、合併症を防止するこtが最大の目標の一つになっています。糖尿病であることに気づかず、また、適切な治療をしないで血糖値が高い状態が長く続くとさまざまな合併症が出現し、日常生活を妨げたり、死に至る場合などがあります。
糖尿病の主な合併症には、次のようなものがあります。
1)血管
糖尿病による動脈硬化症にともない、心臓では狭心症、心筋梗塞症、脳では脳卒中、末梢動脈では壊疽がみられます。
2)眼
糖尿病性白内障、糖尿病性網膜症、虹彩網様体炎、視神経萎縮などがあり、特に網膜症は進行すると失明につながる重大な病気です。
3)腎臓
糖尿病性腎症があります。進行すると腎不全になり、末期には尿毒症となって直接生命にかかわってきます。尿毒症になると透析療法が必要になります。
4)神経
糖尿病性神経症により、神経痛、知覚異常、筋肉の痙攣などがみられ、特に自律神経障害では立ちくらみ、下痢、便秘、排尿障害、インポテンツなどがみられるようになります。
5)感染
肺結核、肺炎、膀胱炎、腎盂炎、胆嚢炎などがみられ、さらには皮膚ではおできなどができやすく、カビの一種であるカンジタによる皮膚病も多くみられます。
財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著