脳卒中後遺症(手足の麻痺) 1
脳卒中は日本人の三大生活習慣病の一つで、昭和56年に悪性新生物(ガン)に譲るまで、昭和26年から死亡原因の第1位を占めました。
現在は、死因としての脳卒中は減少していますが、脳卒中自体は減っていないといわれています。それは、脳卒中に占める脳出血の割合は低くなった半面、脳梗塞やくも膜下出血の比率が増加しているためです。脳卒中(脳血管障害)は2020年、50~80歳代の死亡原因の第3位となっています。したがって、ここで注目しなければならないのは、脳卒中で死亡する人は減っても、片麻痺や他の障害など後遺症をか抱えている人が大勢いるという現実です。
脳卒中の種類
脳卒中は、脳の血管の病気ですが、大きく二つに分類できます。一つは頭蓋内出血で、これは脳実質内の血管が破れて出血する脳出血と脳の周囲にあるくも膜下腔に出血するくも膜下出血があります。
もう一つは、脳の血管がつまってその先に血液が流れなくなり、脳組織が腐ってしまう脳梗塞です。
1)脳出血(脳溢血)
脳出血は、昼間の活動時に起こりやすく、突然の頭痛、手足の麻痺、言語障害が起こり、急速に意識障害が進行すします。これまで脳出血の最大の原因とされてきたのが高血圧です。しかし最近では、薬剤によって血圧を下げ過ぎると必要なだけの血液が細胞に届かず、脳血管障害のリスクが高まるといった指摘もあります。よって食生活の管理や適度な運動、ストレスの解消などの重要性が再認識されています。
2)くも膜下出血
脳底部動脈の一部がこぶのように膨らんだ動脈瘤が破れたり、脳の動静脈奇形の部分が破れて起こります。比較的若い人(25~50歳)に多い病気で、発症すると急に激しい頭痛が起こります。
脳の動脈が、動脈硬化によって徐々に細くなり、脳動脈に生じた血栓(血のかたまり)が、ついには脳血管の内腔をつまらせて片麻痺や言語障害などが起こる脳梗塞の一つです。発症の多くは緩やかで、朝起床時に手足が動かないことに気づいたり、食事中に箸がしっかり持てなかったり、茶碗を落としてしまうようなことから始まります。発作を起こす前に前ぶれがみられることがあります。一時的に手足の麻痺やしびれがみられ、この発作を繰り返すことがあります。これを一過性脳虚血発作と呼んでいます。
3)脳塞栓
心臓や血管(頚動脈、大動脈)にできた血液のかたまり(血栓)、脂肪、腫瘍などの異物が血管を通って脳に運ばれ、脳血管の内腔をつまらせて脳梗塞を起こします。発症は突然ですが、中には短時間のうちに症状が消失することがあります(再開通)。これは血管をふさいでいた血栓がとけてしまうことがあるためです。
4)脳血栓(脳軟化)
脳塞栓のうちの一つです。脳の動脈が、動脈硬化によって徐々に細くなり、脳動脈に生じた血栓(血のかたまり)が、ついには脳血管の内腔をつまらせて片麻痺や言語障害などが起こり、脳梗塞へと至ります。発症の多くは緩やかで、朝起床時に手足が動かないことに気づいたり、食事中に箸がしっかり持てなかったり、茶碗を落としてしまうようなことから始まります。発作を起こす前に前ぶれがみられることがあります。一時的に手足の麻痺やしびれがみられ、この発作を繰り返すことがあります。これを一過性脳虚血発作と呼んでいます。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著