腎石症(腎結石) 1
腎臓内に結石を生じた状態を、腎石症といいます。30~60歳の間に多い病気です。女性よりも男性に多くみられる病気です。体質的素因を認めることもあります。
結石は、腎杯または腎盂にできやすく、その数や大きさはさまざまです。砂状の小さいものからサンゴ状に至るまで多様ですが、腎咳の性状によって尿酸塩結石、シュウ酸塩結石、リン酸塩結石、炭酸塩結石などに分類されます。
腎結石の原因と症状
なぜ腎結石ができるのか、はっきりとしたことはわかっていませんが、はじめ、腎盂の中に小さい石ができると、それがしだいに大きくなっていきます。副甲状腺ホルモンが過剰(副甲状腺機能亢進症)になると腎結石ができやすいといわれています。腎石ができやすいといわれている原因は次のようなものがあります。
・水分摂取量が少ない
・肉類をよく食べる
・糖分や塩分の摂取量が多い
・運動不足
・睡眠不足
・ストレス過多
・寝たきり(尿の流れが悪い状態)
・薬の副作用(ステロイド、ビタミンD製剤、利尿剤)
・前立腺肥大など(尿の通りが悪くなる要因)
腎石があっても、全く症状がないこともあります。また石が小さいときは症状がでないまま排出されることもあります。腎石の症状は、可動性結石が、腎盂の口または尿管に入り込み起こるもので、いわゆる疝痛といわれるキリでもまれるような特有の激しい痛みです。眼でわかる血尿が出ることもありますが、検査でしかわからない血尿もあります。
疝痛は、急に発症する激烈な痛みで、背中やわき腹、下腹部などいろいろな方向に放散波及します。疝痛は数時間から一両日間持続し、その間痛みが強くなったり弱くなったりします。
腎石は、時に腎盂腎炎、腎水腫、腎膿瘍、尿毒症を起こすことがあります。
【治験例】
■腎石症
◆53歳/女性
◆症状の経過:腹痛が時々起こるので、病院で胃のレントゲン検査などを受けたが異常がなかった。3ヵ月前に再度検査をして右腎臓に結石があることがわかった。約1年前に胆石症の手術を受けたことがあり、高血圧の既往歴もある。
◆光線治療:3001-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部、腰部(以上集光器使用せず)、左右下腹部、後頭部(以上1号集光器使用)、左右腎臓部(以上2号集光器使用)照射。照射時間は、各5分間~10分間。
◆治療経過:光線照射を開始した数日後に米粒大の結石数個が、排尿とともに排出された。結石排出後も左右側腹部に痛みが起こることがあるので光線治療を続けている。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著