慢性糸球体腎炎 2
慢性糸球体腎炎の症状
慢性糸球体腎炎の症状や経過は一様ではありません。いくつかの症状が混在してみられます。一般的にはたんぱく尿、血尿、浮腫、高血圧などが多くみられ、その程度にも違いがあります。そのほかに、全身倦怠感、足の冷え、体力が低下した場合では、動悸、不眠などがみられることがあります。
1)腎炎型糸球体腎炎
この腎炎は、最も一般的な糸球体腎炎で、血尿やたんぱく尿がみられ、尿中の赤血球は少量のものから大量のものまでいろいろありますが、たんぱく尿はそれほど多くはありません。血圧はだいたい正常です。
2)ネフローゼ型糸球体腎炎
この腎炎は、尿中に大量のたんぱくが出てしまい、血液中のたんぱくが減少し、浮腫が出やすくなります。1日の尿たんぱくは3g以上で、多いときは30g以上出る場合もあります。浮腫は顔面、手背(手の甲側)によくみられ、強いと全身浮腫の状態になります。
3)高血圧型糸球体腎炎
高血圧が主な症状の腎炎で、たんぱく尿、血尿は比較的軽度のことが多いようです。この型の腎炎は、血管の障害が多くみられ、進行性が強く、種々の臓器に障害を起こします。
以上のように、この病気にはいろいろな症状や経過を示しますが、進行するものでは、しだいに腎臓機能が低下し、腎臓が萎縮し、慢性腎不全の状態になってしまいます。
慢性糸球体腎炎の光線治療
一口に慢性腎炎といっても、その成因は、組織型に違いがあり、腎臓の障害の程度にも違いがあります。したがって、その経過もさまざまですが、種々の合併症を可視総合光線療法で予防、治療すれば、経過は大幅に改善され、一部では臨床的に治癒することもみられます。
さらに、合併症の予防のためには日常生活での注意も大切です。重労働や過激なスポーツは控え、肉体的な過労を避けるようにします。食事は腎機能に応じて、たんぱく質、塩分の制限が必要になります。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著