肺気腫 1
肺の弾力がなくなり、肺胞が大きくなってきて、進行すると肺胞壁が壊れて融合し、肺が大きく膨らんだ状態になってスムーズな呼吸が十分に行えなくなります。これを肺気腫といいます。この病気は、中年以降の男性に多くみられます。坂道や階段で息切れを感じたり、途中で休んだりするような状態のときは、肺気腫の可能性があります。
肺気腫の症状
気管支喘息は発作の際に一過性の肺膨張を起こしますが、発作が繰り返し起こり持続するときには肺気腫を起こすことがあります。
タバコや汚染された空気を呼吸したとき、気管支や肺胞が刺激されて障害を起こすことがありますが、このようなときにも肺気腫が起こってくる場合があります。慢性気管支炎や喘息発作が長く続いたり、一種の職業病として発症するケースもあります。
発症は高齢者の男性に多くみられ、女性1に対して男性3の割合で、本疾患の大多数が喫煙患者といわれています。
肺気腫は、一般に徐々に始まります。自覚症状は呼吸困難で、初めのうちは安静にしていると症状は起こらず、からだを動かすと症状が起こりがちです。病状が進行すると、食事をした後などに呼吸困難が起こってきます。
肺気腫は、咳や痰をともなうことが多く、時に喘鳴がみられます。咳は長年にわたって続き、痰は濃く、排出が困難です。重症では、常に呼吸困難があり、息の吸い込み(吸気)は短く、特に息を吐く(呼気)ときは努力が必要となります。
一般に感染により気管支炎を合併しやすいので、秋から冬にかけて悪化する傾向があります。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著