慢性腎不全(尿毒症) 2
慢性腎不全の症状
慢性腎不全の症状には、疲労感、食欲不振、悪心、嘔吐などで、病状の進行により種々の症状が起こります。
1)皮膚症状
皮膚は乾燥し、黒ずんだ色調で、かゆみ、出血斑がみられることがあります。
2)消化器症状
食欲不振、悪心、嘔吐などは、早い時期からみられる一般的な消化器症状です。口腔では口内乾燥、口臭(アンモニア臭)がみられ、胃では萎縮性胃炎が多くみられます。便秘や下痢などの症状があり、進行すると消化管粘膜に出血し、吐血、下血もみられます。
3)循環器症状
腎不全では循環器系の症状が非常に起こりやすく、また、腎不全患者の最大の死因の一つにもなっています。症状としては、むくみ、高血圧、心肥大、心不全、肺水腫などがみられます。
4)免疫異常
免疫機能の低下により感染症を起こしやすくなります。栄養状態の低下、心不全などによる肺への水貯留が原因となり呼吸器感染症を起こしたり、尿量の減少により尿路感染症を起こします。また、免疫機能の低下は、悪性腫瘍の発生につながります。
5)造血器症状
腎不全貧血がみられます。さらに消化管出血、栄養障害などによる鉄欠乏性貧血もみられます。
6)その他症状
骨(異所性石灰沈着、骨軟化症)、内分泌(2次性副甲状腺機能亢進)、眼(網膜症)、耳(難聴)などに障害がみられます。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著