過敏性腸症候群 1
潰瘍や炎症など、原因となる特定の病変がないのに、神経が過敏になるために腸の働きが強まり便通異状となり、下痢や便秘、腹痛などが慢性的に起こってくることがあります。これは、精神的な影響を受けやすい、神経質な性格の人に多くみられる病気で、過敏性腸症候群と呼ばれています。
発症年齢は20~40代に多く、やや女性に多くみられます。 便通の状態により、便秘型、下痢型、混合型の3つ(もしくはこれにガス型を加え4つ)に分類され、男性では下痢型、女性では便秘型が多い傾向にあります。 生命にかかわる病気ではありませんが、生活の質が著しく低下するため、適切な治療が求められます。
過敏性腸症候群の症状
この病気は腸の検査をしても器質的病変を見出せないことが多いという特徴があります。便通異常や腹痛などの症状は自律神経系、特に副交感神経の緊張(活動)によって引き起こされる腸運動の亢進により起こると考えられます。
症状としては、腹痛、下痢、便秘の他に、腸にガスが溜まる(おなら)、食欲減退、げっぷ、むかつきや神経症的な頭痛、肩こり、不眠、動悸、抑うつ、不安感、イライラなどをともなうことも多くみられます。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著