便秘 2
便秘にともなう症
便秘にともって現れる症状としては、腹痛、腹部膨満感、食欲不振のほか、頭痛、疲労感などの不定症状、下痢などもみられます。
腹痛は、左下腹の場合が多く、排便後に軽減することが多くみられます。頭痛、疲労感などのう不定症状は痙攣性便秘にともなってみられることが多く、自律神経異常、心因性要素の関連が考えられます。下痢あ、痙攣性便秘の場合、しばしば交代性に現れます。そのほか、硬くなった糞便が排泄されるとき、粘膜を刺激して下痢を起こすことがあります。
便秘の治療
便秘症として治療の対象を考える場合、患者と治療にあたる者とでは、一致しないことがあります。患者は、毎日便通があっても便が硬いとか、少ししか出ないとか、便通があっても残っているような感じがあるなどと、下剤を服用しなければ満足しないこともあります。一方、1週間くらい排便がなくても全く異常を感じない人もいます。したがって、治療の対象としての便秘をかんがえるときには、便秘のしくみ、病態をよく理解し、まず日常生活の改善に十分配慮することが大切です。
●生活面での改善方法
1)トイレット・トレーニング
胃・結腸反射の最も強く起こる朝食後に、便意の有無にかかわらず、排便に努める訓練です。正しい排便習慣をつけるための、最も重要な治療法の一つです。
2)運動
家庭の主婦は、台所仕事だけでは運動が十分ではないので、買い物、散歩などでよく歩くことや毎日体操をすることも大切です。座って仕事をする人や老人なども時々からだを動かすことが便秘の解消に効果的です。
3)不安・ストレスの除去
痙攣性便秘では精神的影響が強いので、心やからだの過労や緊張を和らげるために適度の休養や睡眠(早寝)をとることが必要です。
4)食事療法
朝食を抜きがちな学生や勤め人、食事量の少ない老人に多い弛緩性便秘では、胃・結腸反射を亢進させるため、食事量を十分に摂取し、特に繊維含量の多いものを多めに摂取して腸管を刺激するようにします。食事前前後に、海藻類や牛乳を摂取したり、水を多めに飲むことも効果があります。
痙攣性便秘の人では、逆に、腸管を刺激するもの(高線維食、アルコール、冷たいものなど)を避け、消化しやすく、かすが残らないようなものを摂取します。脂肪の少ない肉や赤身の肉、卵、米、砂糖などはかすが少ない食べ物です。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著