炎症性腸疾患 2
クローン病
潰瘍性大腸炎は大腸だけの病気ですが、クローン病は病変が口腔粘膜から胃、小腸、大腸、肛門までの全部に好発します。また、発病はあらゆる年齢層にわたり、20歳代に最も多くみら再発と緩解を繰り返します。病変は慢性の線維化および潰瘍をともなう肉芽腫性炎症性疾患です。真の原因は不明で厚生労働省特定疾患(難病)に指定されています。
症状は、病変の部位と広がりによって異なりますが、腸であれば、下痢、下血、腹痛、肛門部病変(難治性潰瘍、痔ろう、裂肛)がみられます。また、全身症状として発熱や体重の減少が認められることがあります。
クローン病の特徴として、瘻孔(管状の孔)ができやすいことがあげられます。腸と腸の間、腸と膀胱の間、腸と皮膚の間などが 瘻孔 に通じると、尿や空気や便が混じってきます。
クローン病は、潰瘍性大腸炎と同様に免疫系の異状によって起こるのではないかといわれています。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著