交感神経過緊張 3

可視総合光線療法と神経ブロック療法

 可視総合光線療法に、子宮筋腫摘出後の治験例があります。手術後によくみられる自律神経失調症のような症状は、可視総合光線療法の立場からみると、熱エネルギー不足による冷えが大きな要因と考えられます。冷えは、粘膜を弱くします。ブロック療法で治療を受けた患者にも、粘膜のある部位の異常が、当然のように多く認められています。

 冷え症の原因としては、交感神経の緊張による血管収縮のため、血液の流れが悪くなった結果であると考えられますが、原因がよくわからない場合が少なくありません。 

 神経ブロック療法の治療対象となる疾患は、次のように可視総合光線療法の治療対象疾患と共通するところがあります。顔面神経麻痺、頭痛、頚・肩・上肢痛、アレルギー性鼻炎、末梢血行障害、自律神経失調症、肩こり、突発性難聴、帯状疱疹などがそうです。さらに神経ブロック療法は神経性食欲不振症、過敏性腸症候群、神経性頻尿、夜尿症、起立性調節障害、メニエール病、更年期障害、発作性頭位眩暈症、心因性緑内障、眼底動脈閉塞症などの改善にも有効といわれています。

 これらの疾患の中で、過敏性腸症候群、神経性頻尿、夜尿症、起立性障害、メニエール病、更年期障害、発作性頭位眩暈症は、可視総合光線療法でもよい経過がみられる疾患です。

 このように、可視総合光線療法と神経ブロック療法の、それぞれの治療結果が類似することは大変興味深いことです。どちらも、全身の交感神経の過度の緊張を緩和させたことが大きな要因と推測されます。

 若杉教授は、病気の原因や引き金はなんであれ、交感神経緊張がからだに症状を引き起こす疾患を交感神経過緊張症と呼ぶと、その範囲は膨大になるといいます。このことは、可視総合光線療法の応用範囲が広いことと相通じるところがあるように思われます。

【治験例 1】

■子宮筋腫術後自律神経失調症

◆44歳/女性

◆症状の経過:40歳頃より下腹部痛があり、生理不順や出血がみられた。44歳のとき、婦人科で子宮筋腫と診断。貧血が強く手術を勧められたが、手術はしたくないので光線治療を始めた。治療を毎日続ける中、姑が脳卒中で倒れ、世話で忙しく治療ができない状態になった。結果、貧血と世話の疲れがひどくなり、手術を受けた。術後より体調が悪く、自律神経失調症のような状態で、手のふるえ、気分不快、不安感が強く、顔色も悪かった。体重が6kg減少した。

◆光線治療:3001-4008番と3000-5000番の治療用カーボンを1日おきに交互に使用し、両足裏部、両膝部、腰部各10分間、両足首部5分間、左右下腹部各5分間、後頭部と左右咽喉部各5分間は1日おきに交互に照射。

◆治療経過:治療半年間で足やからだが温まるようになり、気分がよくなった。不快感がなくなり今までできなかった遠出も可能になり、体調は改善されてきた。血色がよくなり体重が1.5kg増加した。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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