小児の健康(虚弱児)2
●小児の光線治療上の注意
小児の光線治療は基本的には成人の場合と同様ですが、実際の治療に際しいくつかの配慮が必要です。
●保護者は症状の改善をあせらず、治療を継続する。
●光線治療を怖がらないように配慮する。治療に慣れるまでは睡眠中に治療する。
●治療中は保護者が必ず付き添う。
【治験例 1】
■気管支喘息
◆4歳/男児
◆症状の経過:2歳の冬に風邪をひいたのがきっかけで、ゼーゼー、ヒューヒューという喘息が止まらなくなった。昼間は元気で食欲もあるが、明け方になると必ず咳き込んで目を覚ましていた。小児科での診察で気管支喘息と診断され、毎日吸入と点滴のために通院した。しかし、明け方の発作は治まらず、睡眠不足になり元気がなくなった。そんなとき知人が光線治療を足裏のみ10分間照射してくれた。その晩は朝まで咳することなくぐっすり眠ることができた。光線治療で息子の喘息が治るのではないかと思い当診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療:3000-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部各10分間(以上集光器使用せず)、左右咽喉部各5分間(2号集光器使用)照射。
◆治療経過:治療開始後1週間は、今まで通り毎日、吸入と点滴に通院した。光線治療を併用すると、明け方に咳き込むこともなく熟睡するようになり、通院は中止した。食欲も出てきて表情も明るくなってきた。治療3ヵ月後には、喘息の症状は全くなくなった。光線治療を開始してからは風邪もひかなくなり、以前よりも元気になっている。4月から始まった幼稚園も夏休みまで1日も休まず通園することができた。
【治験例 2】
■喘息・虚弱体質
◆5歳/女児(身長105㎝ 体重16kg)
◆症状の経過:出生時(2.500g)より小柄で手足が冷たく、季節の変わり目には必ず風邪を引いていた。食べ物の好き嫌いはないが食は細く、体重は増えなかった。幼稚園に入園直後より喘息発作が起こるようになった。肺炎を併発し1年間に5回入退院を繰り返した。吸入により喘息発作は抑えられていたが、喘息と咳のため熟睡ができなかった。母親の紹介で当診療所(光線研究所付属診療所)を受診した。
◆光線治療:3000-5000番の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部、両膝部、肩甲骨間部、左右咽喉部各5分間照射。
◆治療経過:自宅で毎日治療した。治療3ヵ月目には、体温が上昇して手足も温まり、喘鳴がなくなり眠れるようになりよく眠れるようになった。食事量も増え、体重も18kgになり、幼稚園を休む日が少なくなった。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著