飛蚊症 1
飛蚊症とは、眼の硝子体に濁りが生じることで眼の前に蚊が飛んでいるように見える症状です。強度の近視の人や中年以降の人に多く発症します。ほとんどの場合生理的な自然現象としてのものですが、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎などの眼の病気にともなって起きることがあります。飛蚊症が現れたときは、速やかに眼科を受診をすることが大切です。病気にともなうものではない、生理的な飛蚊症に対して、可視総合光線療法は症状の軽減が期待できます。
●眼疾患に対する光線照射の生理作用
①眼が疲労(眼精疲労)したとき、程度の差こそあってもからだ全体が疲れているものです。光線照射によって熱と光のエネルギーを全身ならびに局所に照射・補給することで眼および全身の血行が促進されます。それにともない新陳代謝が活発になり、酸素や栄養の補給と疲労物質の除去が速やかに行われ疲労の回復に作用します。
②血行促進とともに可視総合光線療法による抗炎症作用、鎮痛作用、殺菌作用などが、炎症の吸収、治療を早めて、組織の修復を促します。これらの作用により硝子体の濁りの吸収が促進されます。
【治験例 1】
■飛蚊症(ベーチェット病)
◆50歳/女性
◆症状の経過:20年前よりベーチェット病があり、再発性の口内炎と腹痛があった。また、ぶどう膜炎より飛蚊症を起こし、ものが見えにくく、肩こりや頭痛を起こすこともしばしばあったため、光線研究所付属診療所を受診をした。
◆光線治療:3001-4008番の治療用カーボンを使用し、両足裏部(集光器使用せず)10分間、両膝部、腰部(以上集光器使用せず)、左右下腹部、腰上部、後頭部、眼・鼻部(以上1号集光器使用)各5分間照射。
◆治療経過:治療を始めてから気力が出て、よく眠れるようになった。治療半年ぐらいで体調がよくなり、口内炎の再発が少なくなった。無数の黒いものが見えていた飛蚊症が、今はほとんど消えている状態になった。その後は、手足の冷えもとれ、頭痛、肩こりおなくなり、口内炎の再発もみられない。治療継続中。
ベーチェット病と飛蚊症
ベーチェット病は、免疫に狂いが生じ自己の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患である膠原病の一つであると考えられています。口内炎、皮膚症状、陰部潰瘍、ぶどう膜炎などの症状がみられます。ぶどう膜は眼球の中膜にあたる血液を豊富に含む血管膜でます。ぶどう膜炎があると視力が急激に低下し飛蚊症もみられます。飛蚊症はベーチェット病でよくみられる症状の一つです
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著