眼疾患に対しての光線の作用
眼疾患における可視総合光線の直接照射ならびに間接照射としての生理作用は次のようなものです。
●直接照射
1)局所の血行の改善
人により程度の差はありますが、だれでも眼を酷使すると、疲れ目や眼精疲労のような症状がみられることになります。これは、眼の内外の血行不良と視機能に関与する筋肉群の疲労によるもので、局所への光線照射により血行が良好になり、外眼筋や瞳孔の筋肉群の働きを回復します。
2)新陳代謝の促進
血行改善により、眼の内外への酸素・栄養の補給や老廃物の除去が盛んになって、眼の働きは回復します。
3)抗炎症作用と自然治癒力の強化
炎症性の眼疾患として、ウィルス性、細菌性、真菌性、アレルギー性、外傷性、物理的・化学的刺激(放射線、紫外線、大気中の環境汚染物質、酸・アルカリ腐食)などの原因が挙げられます。光線照射は、消炎・殺菌・鎮痛などの作用により、生体の自然治癒力を高めて種々の原因による炎症の治癒を促進します。
●間接照射
1)全身の血行改善
眼の異常は、全身的な疾患の一症状であることが少なくありません。糖尿病や高血圧症では、眼底の異常(網膜症)をともなうことがよく知られています。限定出血を繰り返すと失明に至ることもあります。また、自己免疫疾患の改善には、全身的な治癒力を高めることが重要であり、そのためには、全身の血液循環を良好にする必要があります。間接照射は、血行改善に有意義です。
2)交感神経過緊張症の緩和
眼精疲労や緑内障などの病態においては、ストレスなど自律神経の影響が病状を大きく影響します。そのため、間接照射によって自律神経系の過度な緊張を和らげることが重要です。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著