変形性股関節症
股関節の不適合や、それに伴って生じる痛みなど、股関節およびその周辺の諸症状を変形性股関節症といいます。先天性股関節脱臼など生まれつきのもの、外傷後に起こる後天性のもの、もしくは先天的な素因に後天的なストレスが加わったために発症するものがあります。進行すると、股関節の運動制限、歩行困難などをきたし、場合によっては手術することもあります。
痛みなどの症状を悪化させないためには、股関節周りを中心に筋肉を落とさないようにすることと、体重の増加防止が大切です。股関節に過度の負担をかけずにできる運動として、自転車こぎ、水泳、水中歩行などがあります。体調を考慮しながら行うようにしましょう。慢性的に変形してしまった股関節が元に戻ることはないので、症状がひどくならないよう、日ごろのメンテナンスが欠かせません。そのためには光線療法も有効な方法です。
【治験例】
■変形性股関節症
◆63歳/女性(身長142㎝、体重56kg)
◆症状の経過:右股関節部の痛みがあり、検査により右股関節臼蓋に変形が認められた。病院の治療を受けてもほとんど改善がみられず、50mぐらい歩くと休まなければならない状態で、右大腿部や膝への放散痛も現れていた。高血圧症で10年来、降圧剤を服用していた。
◆光線治療:3001-4008の治療用カーボンを使用し、両足裏部、両足首部各25分間、腰部15分間、右臀部、右下腹部各10分間、左下腹部5分間照射。
◆治療経過:通院治療4回後、自宅で光線治療を行った。治療2ヵ月後には、右股関節の歩行時の痛みが2割ほど軽減した。4ヵ月後には痛みが半減し、足を引きずらないで1kmほど歩けるようになった。血圧も173/111mmHg→156/91mmHgと変化がみられた。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著