唾石症に対する可視総合光線療法

 一般財団法人 光線研究所

 研究員 柿沼 規之

 唾液を作る唾液腺(顎下線・耳下腺・舌下腺)の中や唾液の通り道である唾液管の中に石ができることがあり、これを『唾石症』と呼びます。レントゲンやCT検査で偶然発見されたり、食事の際に痛みや腫れが生じて分かることもあります。唾石の大きさや痛みの強さなど症状の程度にもよりますが、光線療法継続により疼痛軽減や進行抑制、唾石縮小、術後経過が良好な症例があるので紹介します。

■唾石症の原因

 3つの唾液腺の中で唾石が出来やすいのは、唾液管が長い顎下腺です。いまだ原因不明のことが多いものの、唾液線や唾液管に唾液がとどまることにより、細菌や粘液のはがれた細胞を核として、唾液の中のカルシウムなどが固まり唾石になるといわれています。大きさは砂粒大の小さなものから数cmに及ぶものもあり、少しずつ唾石が大きくなることで唾液の流出障害を起こし、痛みや腫れなどの症状が出てきます。唾石が小さい場合や唾液腺の出口付近にできたものならば、自然に口中へ排出されることもあります。痛みや腫れを繰り返す場合は、抗生剤などで炎症を抑えた後、手術による摘出も検討します。

 また唾液が減少すると唾石症だけでなく、歯周病や虫歯などの発症にもつながるので注意が必要です。唾液を分泌できるように食事はしっかりと噛むことが大切です。

■可視総合光線療法

可視総合光線療法の光と熱エネルギーは、患部を含め全身の血行状態を良好にするとともに自律神経やホルモンバランスを整え唾液腺からの唾液分泌を促し、唾石の排出がしやすいように働きかけます。そして抗炎症作用や殺菌作用により痛みや腫れなどの症状緩和、細菌感染の予防にも寄与します。唾石の自然排出が難しいと考えられる場合は、手術での摘出を考慮する必要がありますが、手術後の傷口の回復を促進し、カルシウム代謝を是正に寄与することで再発予防に効果的と考えます。

◆治療用カーボン

 3001-4008番、3001-5000番、1000-3001番、1000-4001番などを使用。

◆照射部位及び照射時間

 両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②(以上集光器使用せず)、口中部⑧・患部の唾液腺部各10分間、他は各5分間照射。

※唾石症が多くみられる顎下腺部の照射は、左右咽喉部④よりやや上、顎の付近を下から上へ照射します。

※口中に3号集光器のガラス管で直接患部に照射することもあります。

『光線研究 第635号』令和4年12月1日発行 一般社団法人 光線研究所

 

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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