顔面の神経麻痺 1

顔面の神経麻痺の中で、最も多くみられるの顔面神経麻痺です。この病気は、普通寒い時期に多くみられ、症状が出る部位が顔であることから、患者は、顔面のゆがみという深刻な悩みを抱えることになります。

このほかに顔面の神経麻痺の病気には、動眼神経麻痺によって起こる眼瞼下垂があります。

ここでは、上記2つの神経麻痺の可視総合光線療法について解説します。

顔面神経麻痺の原因と症状

 顔面神経麻痺は、原因となる部位により、中枢性と末梢性に分けられますが、多くは後者によるものです。特発性(原因不明)のものをベル麻痺とよんでいましたが、単純ヘルペスウィルスが関与していることがわかってきました。

 麻痺の原因は、不明のものも少なくありませんが、一般的には、肉体疲労、精神的ストレス、風邪、寒冷曝露(寒気にさらされること)、歯痛、歯科治療などが原因となり起こることが多いようです。古くは顔面神経内の血行障害、浮腫による圧迫がよく知られ、最近ではウィルス感染による神経障害が明らかにされてきています。原因となる疾患には外傷、脳卒中、髄膜炎、中耳炎、腫瘍、糖尿病などがあります。

 麻痺の症状が出る前には、味覚障害、涙分泌の異常(多くは涙の分泌が減少)、耳後部や後頭部の痛みがなどがみられることがあり、その後突然顔面神経麻痺が起こります。

 症状は、普通、顔の右か左にみられ、麻痺している側の額にしわを寄せたり、眼を閉じたりすることができなくなります(兎目)。また麻痺により口角が下がって、口の中の水が漏れてしまったり、発音が十分にできなくなります。

 このような症状のため、顔全体がゆがんできます。さらに難聴や耳鳴りなどの聴覚の障害もみられることがあります。

動眼神経麻痺による眼瞼下垂

 動眼神経麻痺には、眼球の運動を行う筋肉や上眼瞼をつり上げ、まぶたを開く動きをする上眼瞼挙筋を動かす動眼神経の障害によって起こります。眼球運動の障害により斜視を起こしたり、物が二重に見えたり(複視)、まぶたを十分に開くことができないため、眼瞼下垂の症状がみられたりします。原因は顔面神経麻痺の場合と同じです。

顔面の神経麻痺の光線治療

 神経麻痺は、早く治療することが重要です。治療の遅れは、治療期間を長引かせ、後遺症の可能性を大きくします。少しでも後遺症を軽くするためにも、早期診断および早期治療が大切です。

 顔面神経麻痺や動眼神経麻痺は種々の原因によって起こりますので、必ず検査を受けることが大切です。原因によっては外科的治療も必要になります。また、神経麻痺の症状が発病後3~6ヵ月経過しても続く場合は難治性となります。特に水痘ウィルス感染による場合は、半年以上治療を要することがあります。

※ 水痘ウィルス感染により起こる顔面麻痺をハント症候群といい、難聴、耳鳴り、外耳炎をを合併します。

 可視総合光線療法の光と温熱の鎮痛・消炎・腫脹級数作用により、障害された神経の回復を促進します。これらの作用は、発病早期ほど効果的です。発症6ヵ月までは、治療によりある程度回復する可能性がありますので、根気よく可視総合光線療法を続ける必要があります。

(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著

顔の半分がうまく動かない顔面神経麻痺

馬込沢うえだ鍼灸院

kiichiro2
  • 船橋市馬込沢で鍼灸院・光線療法院をやってます。
    慢性疾患をよくするためには、
    自己のもつ治癒力を高めることが非常に重要です。
    このブログでは主に光線療法について、
    日光を浴びることの重要性について綴っていきます。

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