塵肺症による肺機能の低下が抑えられた
【治験症例 2】
塵肺症
76歳・男性・元鉱山勤務/身長161cm・体重56kg
◆症状の経過
鉱山に36年間勤務していた。54歳ごろ息切れが強くなり、病院の検査の結果、塵肺症と診断された。鉱山を退職して服薬を始めたが、徐々に症状が進行して呼吸が苦しくなり、平地でもゆっくりしか歩けなくなった。少しでも上り坂だと息苦しくて、休み休み歩く状態だった。
また、糖尿病も指摘されており、特段の合併症はなかったが、HbA1c(ブドウ糖と結びついたヘモグロビンの値で、5.8%以下が基準値とされる)は7%台でなかなか下がらなかった。60歳のとき、知人より光線治療を紹介されて当付属診療所(光線研究所付属診療所)を受診し、自宅治療を開始した。
◆光線治療
Ⅰ《治療用カーボンは3000-5000番を使用。両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・肩甲骨間部⑫を各10分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③を各5分間照射》
Ⅱ《治療用カーボンは3001-5000番を使用。両足裏部⑦・両足首部①・両膝部②・背正中部㉘を各10分間、腹部⑤・腰部⑥・後頭部③を各5分間照射》
ⅠとⅡのパターンを、1日おきに交互照射した。⑦①②⑤⑥は集光器使用せず、㉘⑫③は1号集光器使用、④は2号集光器を使用。
◆治療の経過
光線治療を始めてから、徐々に歩行時の息切れが少なくなり、光線治療後約2年で、ほぼ普通に歩けるようになった。病院の検査で肺の機能低下が指摘されていたが、光線治療を始めてからは、肺機能の低下が横這い状態になってきた。糖尿病のほうも、光線治療でからだを動かすことが可能になり、血糖値が徐々に下がってきた。
光線療法を開始してから山登りもできるようになり、人の流れと同じスピードで歩けるようになった。その後は、現在までほぼ毎日16年間光線治療を続け、肺活量は3200㏄で肺機能の低下はまったくなく、糖尿病のHbA1cは5%台で安定しており、病院の担当医にも大変不思議がられている。天気のよい日は近くの小高い山道を散歩している。
◆コメント
塵肺症は根本的な治療法がなく、加齢とともに肺機能が低下し、症状が進行するので、日常生活にも支障をきたすことが一般的である。本治験例は、光線療法で肺機能が抑えられ、症状も改善している。
とくに16年間と言う長期にわたり、支障なく日常生活を送っていることは、光線療法の「肺機能低下を抑える作用」を裏付ける好治験例である。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著