口内炎
口内炎とは、口腔内や口唇、舌の粘膜に潰瘍ができ炎症を起こす病気で、痛みやしみるといった症状があります。サイズの合っていない義歯、頬の内側を噛む、熱い飲食物などの物理的な刺激によって生じるカタル性口内炎と、それ以外の因子によるアフタ性口内炎とに大別されます。アフタ性口内炎の誘因として精神的ストレスや過労によるものが多く、ヘルペスウィルスなどの感染症、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病などの自己免疫疾患に起因する場合もあります。また、 ステロイド治療や抗がん治療を受けていたり、白血病など免疫力が低下していると、口腔内の常在菌であるカンジダ菌が異常増殖して口内炎を起こすことがあります。
※全身性エリテマト ーデス :自分の免疫システムが自分の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫性疾患の1つで、全身のさまざまな臓器に炎症や組織障害が生じる病気。
※ベーチェット病:自己免疫疾患の一つ。ほぼ100%の確率で口腔内粘膜にアフタ性口内炎を生じる。
重篤な病気がなくても、精神的ストレスや過労によって口内炎を発症したり、口内炎繰り返したりする人は多くいます。東洋医学では、口内炎を「心火独亢」と考え治療にあたります。心火独亢 とは、精神的ストレスや過労のため体力、抵抗力が低下し、腎精(生命力の源)虚損から心火の暴走を止められなくなっている状態です。
口内炎を全身の体調不良の現の一つとして予防養生に努めることが大切です。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・理論と治験」黒田一明著