ガン治療の副作用と光線治療 4
●放射線治療の副作用はなぜ出るのか
ガン細胞でも正常細胞でも、大量の放射線照射を受けると細胞の遺伝子(DNA)に傷がつき、その細胞は分裂できなくなって、いずれは死んでしまう。しかし、ガン細胞と正常細胞とでは放射線に対する抵抗力の違いがある。つまり、放射線によって受けた細胞の傷を修復する能力は、ガン細胞よりも正常細胞のほうがよりすぐれているのだ。
この修復能力の違いを利用し、正常細胞の機能損傷をできるだけ少なくし、ガン細胞のみを死滅させることを目標に、放射線量を調節して行われるのが放射線治療である。近年、ガン病巣のみに放射線をピンポイントで照射する技術も進歩しているが、まだ完全ではないために正常細胞にも傷がつき、それが副作用や後遺症となることがある
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著