ガン治療の副作用と光線治療 2
●抗ガン剤の副作用はなぜ出るのか
ガン細胞はもともと正常細胞から分化したもので、細胞の構造、代謝のしくみ、細胞分裂のプロセスなどは、正常細胞とほとんど変わりがない。したがって、ガン細胞に作用する抗ガン剤は、必ず正常細胞にも作用する。さらに、抗ガン剤がガン細胞と正常細胞に作用した場合には、正常細胞のほうがダメージを大きく受けやすい傾向にある。
そもそも正常細胞は常に秩序を保ち、その組織や臓器の機能を維持しているため、一定数以上の正常細胞が残っていないと、全身の組織や臓器の機能を保つことができない。
一方のガン細胞は、無秩序に増殖するので、1個でもガン細胞が生き残れば、再び分裂・増殖することができる。
抗ガン剤は、ガン細胞を直接に殺したり、ガン細胞が増殖する過程を阻止するように作用するので、分裂が盛んな細胞ほどダメージが大きく出る。通常、ガン細胞よりも活発に分裂を繰り返す正常細胞のうち、とくに骨髄、毛根、皮膚の細胞などが、大きな影響を受けることになる。
(財)光線研究所「可視総合光線療法・治療報告と症例集」黒田一明著